令和7年神奈川県公立高校入試~思考力系問題~
数学の解説を載せつつ、並行して昨今教育業界のキーワードともいえる「思考力」について。
段々公立高校入試も「思考力系」になってきましたね。
最も思考力を採用しているのが、私の見立てでは、社会です。
どの辺が思考力系なのか紹介しますね。
問4(ウ)
明治時代の「権利」や「自由党」について述べた次の文X,Yの正誤を答えよ
X 福沢諭吉は、人間の自由や権利などの、欧米の思想を日本に紹介した
Y 自由党は、憲政会(のちの立憲民政党)と交互に政権を担当した
Xに関しては川崎市準拠教科書の教育出版の教科書にちゃんと書いてありますが
Yに関してはそういった記載は教科書では確認できない。
確認できないから誤文なのかというのはあまりにも雑すぎる。
では何を頼りにこの問題を解けばいいのか?
答えは原敬にあります。
原敬は大正時代の総理大臣で日本初の政党内閣を組閣した人物。
つまり原敬内閣が初めて政権を担当した政党といえます。
なのでこれは誤文。
この問題正答率はそこそこだと思います。Xが正は間違いないので50%で正解してしまいます。
しかしながら正しく思考するとYは誤文であることが分ります。
ではちょっと詳しく。これは高校日本史を教える私だから分る方法。
まずは自由党は初代総理である伊藤博文が誕生する前に解散しています。
なので政権担当は不可能です。これは教科書に載ってませんね。
「政権を交互」にいう部分は「交互に内閣を組閣」であれば西園寺公望と桂太郎の桂園時代を指しますね。これは教科書に載っています。しかし西園寺は立憲政友会、桂は陸軍閥なのでやはり間違い。
めちゃ余談ですが西園寺公望は藤原氏です。残念ながら道長の子孫ではなく、道長のお父さん兼家の兄弟の子孫。藤原北家閑院流。道長は藤原北家九条流。
私はやはり子供たちに常に「なんで?」って疑問を持ってほしい。
原敬は初めての本格的な政党内閣(与党が内閣を組閣する)であると習った際に、じゃあその前はどうなの??ってなって欲しいですね。
それこそが「思考力」なんです。
明治時代は元老と呼ばれる日本の影の支配者が総理大臣を決めていたため、選挙の結果と内閣の組閣には何の因果もなかったのです。
だから政党が政権を担う事はなかったんです。それさえ知っておけば、この問題できましたね。
ということで、せっかくなんで同じような「なんで?」を私から1つ提案
本願寺が浄土真宗、永平寺は曹洞宗、金剛峰寺は真言宗、延暦寺は天台宗。
では東大寺は?
東大寺ってたぶん日本で一番有名なお寺ですよね。そのお寺で教えて宗派?気になりません??
こういうところを気にしてほしい。
知りたい生徒は答えますので先生に聞いてね。
| 固定リンク
最近のコメント