補助線は最終手段
高校入試においても、大学入試においても、補助線は最終手段にした方が良いです。
理由は、補助線が引けるという事は選択肢が増えすぎるからです。
もちろん赤本や声の教育者さんの模範解答では補助線が多用されます。
でもやはり、練習段階では可能な限り補助線を引かない学習をすべきでしょう。
そうすると、頭がよくなります。正確には思考力がつきます。
補助線とは所詮はテクニックであり、暗記の域を出ません。
多くの補助線は、そこ引く根拠に乏しいものが多いのです。
では中2の数学を例にして説明しますね。
問題はこんな感じでどうでしょう。
上の図は合同の正六角形を二つ並べたものです。
Xの角度は何度になるか。
先に補助線でとくとどうなるか。こんな感じですね。
私が作問したんで、補助線引きにくい(笑)
各々の角ごとに平行線を引いても良いのですが、少し頭を使ってこんな形にしました。
これで、青の図形、赤の図形の鋭角の角度が共に20°とわかりますね。
これが分らない中2の子はすぐに塾に通おう。
あとは平行線の錯角により、X=40°となります。
これは「∠に平行線を引く」という解き方の暗記で解けますね。
では、補助線なしの思考を。
まずはまっすぐの1つの正六角形から(目黒指導の5コア:スケールダウン)
正六角形の一つの内角は120度なので、あとは左右対称と考えれば、上下の平行線との角度が全て30°であることがわかります。
では次にこれを時計回りに10°回転してみましょう。
平行線を利用して解いてみてもわかる通り、上の角度が+10°、下の角度が-10°になります。
さて、ではまっすぐなままで正六角形2つ。
Xは60°になりますね。
それではこの2つの事柄をまとめて考えると
ずれていない状態の正六角形でX=60°だった角度が
上の正六角形が時計回りに10度回転したから、Xは小さくなります。その角度は10°
下の正六角形が反時計回りに10度回転したから、Xは小さくなります。その角度は10°
つまりXは20°小さくなります。
60-20=40°
慣れてくると見た瞬間に答えが分りますね。
この解説、中学校3年生理科で『太陽の南中高度』を学んだ生徒はすぐに「あ!」となるでしょう。
そうです。理科で使っている考え方ですね。理科に応用できるんです。
応用ができる考え方というのは、汎用性が高い考え方と言い換える事も出来ます。
でも、平行線引いた方が解きやすいですよね。
その通りです。
でも、今「簡単だから」を推すとそのつけは高校生の段階で必ず払う事になります。
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