有馬中3年 前期期末テスト 数学
最初に書いておきます。
今回の有馬中3年生のテスト!すごく質が良い。
現指導要領である「思考力」「判断力」を正しく体現したテストでした。
今回は数学について書きますが、社会も紹介しておきます。
もともと有馬中の社会の質は良かったんです。どこがいいかって、写真、資料問題が多い事。1問1答みたいな問題がほとんど出ない。
で、今回何が良かったかというと、北里柴三郎と夏目漱石が出題された事。
まあ、生徒たちは夏目漱石が1000円時代を知らないかな。2007年からは野口英世なので、17年前。中学生はまだ生まれてませんね。
その夏目漱石と現1000円の北里柴三郎。いいタイミングで出題してくれましたね。
勉強の入り口がY校箇所であってはいけないってのが私のポリシーなのですが、まさにこういうのが大好きです。
で、数学に話を戻します。
良かった点は、一般的な教材で対応不可能な問題が「思考」で出題されているところです。
問題を「解き方」と「暗記」でやってる子には解けない形になってますね。
まずは問7
一部省略しますが、2次方程式がどんな時に2解を持ち、どんな時に1解になるのか。
高校数学では常識問題。
私は解の公式を暗記させないし、ちゃんと仕組みと、解が整数のときにも解の公式で解く練習もさせるからこの手の問題は、私の生徒は問題無かったと思っています。
イイですよね。数学の公式が独り歩きして、わけがわからないけどこの式を使えば答えが出るなんて勉強の仕方をしていたら、かならずいつか限界が来て数学を諦める事になります。
私の教室にそういう状態の生徒、最近では翠嵐高校の生徒、川和高校の生徒、早稲田実業の生徒など超進学校の子たちが、駆け込み寺の様に来て、なんとか救出した経験が何度もあるため、いまの指導方法にいたりました。
中学校の成績さえ良ければいいとか、高校受験さえ成功すればいいって考えているご家庭は私の教室は合いません。私の教室に来ない方が良いでしょう。もちろん私も入塾の体験の際にそういった状態が色濃くて、私では対処できない場合はお断りしています。
では解法
公式の観点から。
「±√」の部分があるから「+√」と「-√」の2解が出ます。
だから√の中のb²-4ac=0であれば解は一つになります。
また、平方根の中は絶対に正という決まりがあります。当たり前ですがある数をを2乗して負になる事は絶対にないので。
したがって2解をもつためには√の中のb²-4acが正の数である必要があります。
ちなみに早慶を受験する子には、私は反則気味ですが高校数学の判別式と呼ばれるこの知識や、それ以外にも早慶受験で使える高校数学を教えてしまいます。これは大学受験数学を指導してないと出来ない技術なうえ、教えていい生徒と、逆に混乱する生徒がいるため、個別指導の専売特許ですね。昨年早稲田学院に合格した子には数Ⅰ・数Ⅱの知識を結構注入して受験させました。
ではもう1問。問8。
1,1,2,3,1,2,3,4,5,1,2,3,4,5,6,7…
とある規則に基づいてつづく数について答えなさい
これは高校数学では群数列という名前のついている数列です。
それを中学生でもできるようにアレンジされた問題。良い問題ですね。
第1群「1」 第2群「1,2,3」 第3群「1,2,3,4,5」…第N群「1,2,3,4,5,6…(2n-1)」
群の最後の数が1.3.5.7…(2n-1)となり
群に含まれる数は1個、3個、5個…(2n-1)個と群の最後の数と同じになっていることに注目してみましょう。
(1)49番目の数は?
群の中にある数を数えていきましょう。
問題文の例にある通り
4群の最後の数は何番目かというと
1個+3個+5個+7個=16個=4²
で16番目
5群の最後の数は何番目かというと
1個+3個+5個+7個+9個=25=5²
(わかりやすく書くと)
1群{ 1 } 1個
2群{1.2.3} 3個
3群{1.2.3.4.5} 5個
4群{1.2.3.4.5.6.7} 7個
5群{1.2.3.4.5.6.7.8.9} 9個
で合計1+3+5+7+9=25個
なので5群の最後は25番目
つまり49番目は7²で7群目の最後の数とわかります。
7群目の最後の数は奇数の7番目の数なので2×7-1=13
答えは13となります。
具体例を書くと分りやすくなりますね。
これは私の教室で行っている「目黒の指導の5コア」の一つです。
さてそれでは一応これを一般式化していきましょう。1群からn群までの中にある数の個数をたすと
1+3+5+7+…(2n-1)
n群目の中にある数は(2n-1)個
{1+(2n-1)}×n×1/2=n²となります。
ここも数列の和の公式なんて馬鹿げたことはせずに仕組みを考えればこの式はあっさりできます。
A= 1 +3 +…+(2n-3)+(2n-1)
A=(2n-1)+(2n-3)+… +3 +1
と足し算を逆に並べます。あとは上と下をたしていく
2A=2n+2n+…+2n+2n
A=n+n+…+n+n
nをn個たすので
A=n²
(2)2024番目のかずまでに28は何個あるか
(1)同様に考えると45×45=2025なので、45群に注目
45群の最後の数は奇数の45番目の数なので、45×2-1=89
45群{1.2.3.4…27.28.29…88.89}
45群の最後の数が2025番目なので、2024番目は88。
28が初めて登場するのは29個の数を持つので、(2n-1)=29となる15群目。
ここも具体化しておきましょう。
14群の最後の数は奇数の14番目、つまり14×2-1=27
14群{1.2.3.4…26.27} 27個
15群の最後の数は奇数の15番目、つまり15×2-1=29
15群{1.2.3.4…28.29} 29個
これで15群に初めて28が現れたことが分りますね。
15群に28は1つ、16群にも28は1つ。45群にも28は一つ。
つまり28-15+1=14個
良い問題でしたね。
じゃあこの問題2次方程式の利用なのか?
って疑問が残りますね。そんなボーダー気にしてると勉強できなくなります。
これまでならった知識で解ける以上、テストとしては成立しています。
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