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2024年6月

2024年6月26日 (水)

数学教育の崩壊

在塾生の父母面談で、うちの教室の生徒の弟さんがある先生にこんな質問をしたらしいです。

「なんで割り算は逆数にしてかけ算にするのか」

先生の返答が

「難しいから、その説明はまだ必要ないかな」

 

いやいやそれはそれは説明できないだけでしょう。

論理はとても簡単ですよ。

ちなみに、具体例説明ではダメです。

具体例説明ってこんな感じ

100÷2=50だよね

100×1/2=50だよね

ほら同じになる。だから逆数にしてもいいんだよ。

この説明は数学を勉強してない人がやる説明です。

「この例で説明がつくから、必ず他もなるか?」

それを証明する必要があります。

帰納法のところで学んだはずですよね。

ということで皆さん、お子さんに質問してみてください。6年生以上なら「逆数にしてかけ算」は習っています。

ちなみに私もいままで教えていませんでしたが、概念としては理解しておく必要があるのでこれから生徒たちに教えていこうと思います。

 

私たちは正しく理解せず、正しく理解させずに、「そういうものなんです」として進めているものが多いですよね。

ふと気になって、うちの高校2年生、3年生に3項間漸化式で特性方程式aX²+bX+c=0の解を使って解く根拠を聞いてみましたが、誰一人答えることができませんでした。

学校では「こうやって解く」と教わりましたと。

う~ん、それ数学ができなくなるわけだ。

そんな勉強を繰り返してたら、たいていは高校生になって「この問題どの公式を使えばいいかわかりません」とまぬけな質問をしてしまう事になるんです。

あと最近よく聞くワードは「解説に書いてあるこの行から次の行になるのが分りません」

これも絶句してしまいますね。

そりゃ公式の仕組みが分らなければ、どの方向に進んでいるかわからないため、つぎがどっちに進んだのかわからなくなる。

これは言わなくてもわかると思いますが、公式一発で解ける問題は大学入試には出ませんね。

 

この状況に陥らないためには早い段階から脱公式勉強!

ちなみに脱公式勉強は公式を使わないわけではありません。

段階として

①公式を証明

②公式を使わないで、膨大な計算をしながら練習

③公式を使って、②の状況からいつも絶対に同じことをしている部分をショートカットできる事を確認。

これは小学生の速さ、単位量当たりの大きさで実践していく必要があります。

 

 

夏期講習、新規生徒募集中!!

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2024年6月24日 (月)

有馬中1年 前期中間テスト総括

有馬中のテスト精査が終わりました。

精査表は次回授業の際にお渡しするので、今後の学習の参考にしてください。

今回の有馬中1年の前期中間テストでは100点が出ました。

「簡単なテストなんだから」って思う方も居るでしょう。

アマチュア考えです。塾の先生とかで、これを「凄い」と判断できない先生の元で勉強はしない方がいいですよ。

これだけの問題数で、ケアレスミスを出させない指導は、結構難しいです。

学習技術だけではなく、メンタルコントロールまで必要です。

まあ、この辺は私の指導の秘密なのであまり公開しませんが。

 

で、精査の方ですがこんな感じでした。

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相変わらず小さくて見にくい。笑。クリックしたら多少大きくなるはず。

問題の質としてはとてもよかったですね。

注文を付けるなら、大問7

(3)を作って、「☐-〇が最大になるように、それぞれの数字を選びなさい」

ってあればさらに素敵でした。

 

おそらく正答率が低かったであろう大問6(3)は解説を載せておきます。

問題

次の式が成り立つ様に〇に計算記号「+、-、×、÷」を当てはめなさい

6(-5〇4)〇3〇2=1

解説

四則の計算に従って進めるため、最初に(  )内を決めます。

(-5〇4)は4通りの答えがあります。

①「+」なら-1 つまり6〇(-1)〇3〇2=1

②「-」なら-9 つまり6〇(-9)〇3〇2=1

③「×」なら-20 つまり6〇(-20)〇3〇2=1

④「÷」なら-5/4 つまり6〇(-5/4)〇3〇2=1

負の数が1つだけという状況で右辺が正の数。

数が大きいと分りにくいので①限定で考えていきましょう。

まず手っ取り早いのが一つ目の〇、つまり(-1)の数の前の計算記号を「-」にしてしまいます。

そこだけ計算すると

73〇2=1

153〇2=1

263〇2=1

これで一番左の数を減らす方法を考えます。全て正の数なの赤くした〇に入るのはで、「-」か「÷」の選択ですね。

ここまでくれば見えてきます。

7-3×2=1

したがって

6-(-5+4)-3×2=1(答)

 

では次に(-1)を活かして6+(-5)=1を目指してみます。

(-1)〇3〇2=-5

(-1)×3-2=-5

これで完成ですね。

6+(-5+4)×3-2=1(答え)

 

探せばまだあるかもしれませんが、ひとまずこのくらいで。

この問題のコツはまさに数学的思考で「仮定をしてみる」「解きやすい形に変形する」です。

ゴールをイメージできれば、あとは簡単になりますが、解く際にいかに日本語を残せるか。

私の解説自体が解答になっている必要があります。

偶然答えにたどり着いた子もgood!数学の真髄は短時間にいかに「アタック&エラー」を出来る事です。

 

 

 

夏期講習、新規生徒募集中!!

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2024年6月21日 (金)

学校説明会(玉川学園)

学校説明会のシーズンが始まりました。

私は基本的には生徒を送り出す学校は見ておきたい派なので、結構な数の学校の説明会に行きます。

私立中学校の説明会は、私にとっても気づきも多く、とても勉強になります。

 

今回行ってきたのは玉川学園です。

小田急玉川学園までは鷺沼から乗り継ぎが良い時には40分ほどで到着します。

小田急玉川学園駅から中等部へは徒歩15分ほど。とかく敷地が広いんです。

教育は中学生から、大学でやる様な研究をしています。
人としての成長を望むのであればいい環境だと思います。
一方で、ソリッドな学力向上という意味では、自らで、自らを律しながらやらないとならないイメージがあります。いい意味でも悪い意味でも、学習に関するハードルやペナルティが設定されているイメージが無い。

学校を2つに大別し、一つは「大学進学への学習指導を行う学校」もう一つは「教育理念に基づき子供たちを育む学校」とすると玉川学園は後者になります。

入試に関しては
中学入試
面接がある。面接に関しては詳細を教えて貰えました。対策可能ですが、必ず出願段階から塾の先生は関わるべきですね。

理科社会は1問1答レベルで思考力を問われる形は社会の記述のみ。

算数で出題された群数列が面白い!セオリーの群数列じゃないから、テキスト通りの解き方が出来ない。面白いから解説載せますね。

こんな感じです。

【問題】

ある規則に従って並んでいるかづを、縦線で組み分けした。

(問題文では分数は全て帯分数で示されている)

|1|2・1|3・3/2・1|4・2・4/3・1|…

(1)最初から22番目の数は何ですか

(2)10組の左から6番目はなんですか

(3)最初から100番目の数は何組の左から何番目で、その数はいくつですか

(4)3回目に現れる7/3は最初から何番目にありますか

 

通常の群数列は群の中が数列になっているから解きやすいけど、これはそうではない。見やすくすると

|1/1|2/1・2/2|3/1・3/2・3/3|4/1・4/2・4/3・4/4|…

組の番号が分子、分母は組の最初から1ずつ増える。

例えば4組の3番目は

分子が4で分母が3なので4/3

(1)22番目が何組目か考えるだけです。

1組に1個、2組に2個、3組に3個と数が入るので、「(1+n)×n×1/2」で22に一番近い22より小さい数を考えます。

(1+n)×n×1/2って一見難しそうだけど、言語化すればイージー「連続する二つの整数を書け合わせて2でわる」

5×6÷2=15

6×7÷2=21

7×8÷2=28

これで6組の最後が21番目なので、7組の1番目と決まりました。なので分子が7で分母が1つまり7

(2)10組の左から6番目は分子が10で分母が6なので、5/3

(3)(1)同様に

13×14÷2=91

14×15÷2=105

13組目の最後が91番目なので、14組目の9番目が最初から100番目の数。

分子が14、分母が9で14/9

(4)7/3と同じ大きさの分数は小さい方から14/6、21/9なので3回目に現れる7/3は21/9

つまり21組の9番目。

20組の最後は

20×21÷2=210番目

なので21組の9番目は210+9=219番目

以上です。思考力問題ですね。良い問題です。

 

高校入試
全体的に都立入試に近い形式。
神奈川が不利かというとそんな事はない。
推薦(専願、併願)は優遇が4点まで。

優遇の詳細は家庭向けの学校説明会で聞いてください。

私の教室の保護者様にわお教えしますのでお気軽にお問い合わせください。

 

では近日、文教大付属中学校の説明会に関することを書きます。

 

夏期講習新規生徒募集開始!

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2024年6月10日 (月)

100点は狙って獲る!

有馬中の定期テストが終わりました。

数学で100点が出ましたよ!

普段、すごくケアレスミスが出る子で、我々指導者側のテーマは「いかにケアレスミスをさせないか」でした。

「ケアレスミス」ってちゃんと対策を練れば起らないんですよ。

これは、私の教室の指導のコアな部分になるので詳細は書きませんが、これを「性格的な問題」とか「本当はこのくらいの点数がとれたいた」とは評価してしまったら絶対に治りませんえ。果ては入試でやらかします。

 

本人の承諾を得たので、載せておきます。

100点の答案。

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