令和6年度 神奈川県公立高校入試(数学) 詳細解説④
前回最終回といいながら、追加であと1回書きます。
なぜもう1回書くことになったかというと、私のブログの解説を見た子から、どうしても問3エの濃度の問題を解説してほしいとの要望が。
「え?こんなイージーな問題を??」
様々なところのHPに書かれている評価も解き方も、全部複雑。
これは簡単だからスルーだろと思ったらまさかの難問指定にちょっと驚きました。
もちろん私が解けるから簡単という意味ではありません。
その部分を証明するために下記に指導方法まで記載しました。
という事で難問と気が付きもしなかったのですが、解説を載せる事にしました。
さて、2025年度過去問(声の教育社)はどんな解説を載せるのかな~発売が楽しみ。
先に書いておきます。
暗記に頼るからこんなイージー問題を落とすんです。
確かに2次方程式の難問で「食塩水汲みだし問題」があって似てますよね。でもこれ、全然イージーですよ。
では行ってみよう!
目黒指導の5コア「問題を解くのではなくヒントを増やす」
日ごろからこれさえさせておけば、問題なくできます。
では増やします。
・4%の食塩水300g⇒食塩は12g入っている
・食塩水をag汲みだす⇒減少する食塩は0.04ag
・300gからagの食塩水を汲みだし代わりにagの食塩を入れるから⇒残った食塩水は300gに戻る
・これが12%だから⇒最後にある食塩は36g
ここまで簡単にできますね。aがなければ小学校5年生でもできます。
では立式(日本語つき)
(最初の食塩の量)-(減少した食塩の量)+(加えた食塩の量)=(残った食塩の量)
12 - 0.04a + a = 36
0.96a=24
a=25
まさかの1次方程式。笑。
普通にこうやって解いたから、解説を載せる前に「載せるまでもない」って思ってしまいました。
「食塩汲みだし問題」なんて名前つけて、2次方程式の問題にカテゴリー分けして覚えるから、複雑な解き方をしなくてはならなかったのかな~。逆にそういった塾指導の盲点を突いてきた神奈川県は立派。
テクニック的なことを披露するすきすらないまま終わってしまった。。。
今回の一連の解説で初の図解すらナシ。手間は全くかからなかったからいいのですが。
せっかくだからもう少し書きます。
大学受験を指導する先生的に言えば、もっともっとイ―ジーなんです。
別に高校生のスキルを使うわけではないですよ。共通試験の「わからなかった時の回避方法」を使います。
まずは時短のため
等しい量の水と食塩を交換したと仮定して、交換した水と食塩の量は36-12=24g
これは先ほど書きましたが小5でもできます。
てことは汲みだして食塩が減っている分を考慮すると加える食塩の量は24gより多いはずなんです。
そして、答えが36gだと最初は食塩が入ってなかった事になるため、答えは⑤⑥⑦の3択。
問題に向き合わず、最初にヒントを増やしていけばここまでは簡単にわかります。
問題に向き合うから盲目になり「解き方」って思考が向いてしまうんです。もっと柔らかくないと大学受験は無理ですよ。
さてではここから代入です。笑。
⑤25
300-25=275
残った食塩は275×0.04=550×0.02=11g(せっかくなんで暗算方法も掲載)
ここに25gの食塩を加えると
11+25=36gで12%(まさかの最初が正解)
念のため
⑥28
300-28=272
残った食塩は272×0.04=544×0.02=10.88g(この時点で小数があるから不適当)
ここに28gの食塩を加えると38.88
⑦
300-30=270
270×0.04=540×0.02=10.80(この時点で小数があるから不適当)
10.80+30=40.8
時短のための絞り込み(赤字)ができなくても①から代入していけば、答えはでます。
そしてHPではわかりやすくするために全部書きましたが解答群が全て整数なので、途中で求められた食塩の量に小数が出た時点で不適当にしていけばいいだけなんです。
これで小学校5年生でも解けるレベルになりましたな。
おそらく所要時間5分。
まあ、流石に大手集団塾さんが「①~⑧まで代入していこう」なんて解説をHPに掲載するわけにもいかない気もしますが。笑。
作問者の突かれたくないところを突くならば、こういった問題は代入で解けてしまうから、だから選択肢は8個もあるんです。
他の問題は4択か6択でしょ?
そして極力真ん中に隠したい。代入していくなら①スタートか⑧スタートになりますからね。
この辺はあくまで邪推レベルですが、これも立派な戦い方です。
どうですか?
「解き方の呪縛」に囚われるって怖いでしょう。
こんな原始的なやり方で解ける問も、難問に変えてくれます。
やっと高校入試にも「解き方の呪縛」系問題が登場しましたね。
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