令和6年度 神奈川県公立高校入試(数学) 詳細解説②
予告通り関数(問4)を解説します。
問4は過去問とほとんど同じという捻りがない問題でした。
問4は(ア)は誰でも解ける (イ)偏差値45以上の学校なら解く必要がある (ウ)偏差値55以上の学校なら解く必要がある
って感じです。
ではいつも通りです。
目黒指導の5コア「問題を解くのではなく文章題のヒントからヒントを増やす」
さて問題文の初期図形
問題文のヒントをからヒントを増やします。
ヒントを赤線で引いてみると、ほぼ全文ヒントですね(笑)
では順に行きます。
(1)A点のY座標が6と決定
(2)A点のX座標が-6と決定
(3)B点の座標が(6,6)と決定
(4)C点の座標が(-2、6)と決定
(5)D点の座標が(-6,0)と決定
(6)E点の座標が(-6、3)と決定
(7)F点の座標が(1、-3)と決定
注)(7)の座標決定は相似で決定。下記の図形参照。
これで準備完了。必要な座標が全て出そろいました。
では問題に着手します。
(ア)曲線③の式は点A代入
6=36×a
a=1/6
(イ)点Eと点Fから
3=-6m+n
-3=m+n
を連立してm=-6/7 n=-15/7
(ウ)この問題は座標点が軸上にない時点で「等積変形」に進むのが良いでしょう。
力技でも解けます。別解は持てるだけ持って行けが私のモットウなので両方掲載。
では等積変形から。
2回行います。まずは三角形CEFの面積から
青三角(CEF)を緑三角(CHF)に等積変形します。
まずは点Eと点Hを通り直線CFに平行な直線の式を求めましょう。
直線CFの傾きは点C(-2,6)と点F(1、-3)よりXの増加量+3 Yの増加量-9となり-3とわかります。
したがって直線EHの傾きも-3.点Eを通るので
3=-3×(-6)+b
b=-15
直線EH:Y=-3X-15
点H(-5、0)
緑三角の面積は5×6÷2+5×3÷2=45/2
これで前半終了
もう一つの等積変形へ
先ず緑の三角形の面積は⊿CEF:⊿COG=3:2より
45/2×2/3=15
また、⊿CEFの面積はOIを底辺とみて OI×6÷2=3OI
ゆえに15=3OI
OI=5
つまり点Iの座標が(5、0)となる
点G、点Iを通り辺CFに平行な直線の傾きは-3なので、
Y=-3×X+bに点I(5,0)を代入して
0=-3×5+b
b=15
したがって直線GIはY=-3X+15
点Gは直線DBと直線GIの交点なので
Y=1/2X+3
Y=-3X+15
を連立して
X=24/7
これで終了です。
等積変形は神奈川県公立高校入試の問4ウにかなり有効なので、他に解き方が見つかったとしても、常に等積変形で解く方法もチャレンジすべきです。難しいからって敬遠すると力がつかないです。
では別解も提示しておきましょう。
三角形CFE=7×9-(4×3÷2+7×6÷2+3×9÷2)
=45/2
三角形COG=⊿CEF×2/3=15
点G座標のx座標をgとすると点Gは直線BD上の点なのでY=1/2g+3となる。
点Gは(g、1/2g+3)
三角形OCG
(2+g)×6-(2×6÷2)-g(1/2g+3)÷2-(g+2){6-(1/2g+3)}÷2=15
(2+g)×12-(2×6)-g(1/2g+3)-(g+2)(-1/2g+3)=30
(2+g)×24-24-g(g+6)+(g+2)(g-6)=60
48+24g-24-g²-6g+g²-4g-12=60
14g=48
g=24/7
計算は面倒ですが、解き方としては小学生でやった三角形の面積の求め方で出来ます。
これも私がよく授業で教える事ですが
「論理の簡単な解き方は計算が膨大になる」
「論理の難しい解き方は計算が簡素になる」
両方できることが大事です。
そして論理の難しい解き方が思いつかなかったら、膨大な計算をミスなく、怯まず、解ききる。
結果的に神奈川県公立入試数学問4ウは目黒指導の5コア「どんな簡単な問題でも作図する」を徹底しておけば難なく解ける問題なのです。
では次回2024年公立高校入試問題数学の最終回空間図形編を掲載しますね。
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