令和6年度 神奈川県公立高校入試(数学) 詳細解説①
英語と違って数学は解説を載せます。
声の教育社・東京学参から出版される「令和7年度用の過去問」が販売される前に見たい方はこちらをご覧ください。
今回は図形問題2問。
まずは問3 ア(ⅱ)
問3アは塾の先生的に言えば「補助線を引かない」パターンです。
目黒指導の5コアの一つ「自分の知っている形に問題の方を引き込む」これで解決。
問題文はこんな感じ。
一見複雑ですが、これでどうでしょう?
一部の線を消しました。
この形は塾用教材にも掲載されている基本問題です。
ちなみにうちの教室で使っているiワーク、jack、新中学生問題集すべてに掲載されています。
これで⊿ICDと⊿AHCのに注目する問題であることが見えてきます。
ゴールから逆算した「解法プラン」
∠AEBを求める→∠EABと∠EBAを求める→
①∠EBA=∠ACB(問題文より三角形ABCは二等辺三角形)
②∠EAB=∠BCD(円周角)
ここで目黒指導の5コアの一つ「問題を解くのではなくヒントを増やす」
最初に書いた「知っている形」を利用しながらヒントを増やしましょう。
(ⅰ)の相似(赤三角・青三角)と問題文のヒントから緑三角が二等辺三角形であることがわかりさらに頂角が58°と出てきます。
これで解法プラン②がクリアになりました。
ここで∠ACB=Xとして考えていきましょう。
これで準備完了。
∠CAH=∠CDI(円周角)
青三角の内角の和より∠CAH=180-(119+X)=61-X
橙三角の内角の和より∠CDI=180-(122-X)-73=X-15
61-x=X-15
X=38
これで解法プラン①がクリア
180-38-58=84°
次に問3 ウ
問3ウは塾の先生的に言えば「補助線を引かないと解けない」パターン
最初に書いておきますが、私の解法を見たら「簡単な問題」と思うでしょう。
しかし、この問題難しいですよ。補助線追加問題は選択肢が多すぎる。
そして間違った方に誘導されて時間題ものすごく喰われる問題です。
ここでも目黒指導の5コア「作図は簡単な問題でも絶対にする」「問題を解くのではなく、ヒントを増やす」
この2つで解決します。
まず私は指導の際に「平行線は必ず伸ばす」と教えてます。
平時の授業で「解けるから」と言う理由でやってくれない生徒もいます。それがこういう問題で重くのしかかる事を覚えておいてください。
私の授業は常に大学入試レベルを睨んでます。つまりは、定期テストで点を取る事ではなく、「難問入試」を解くための技術を教えています。
ではまずはヒントを増やしていきましょう。
さて問題文のヒントを落とし込むとこんな感じ。
ここでDB=BC、∠DBC=60°が見えてるから正三角形を作ってしまいましょう。
正三角形ができるとCD=CE=12という事が分り、角度をどんどん求めていくと∠ADE=45°が分ります。
45°と直角の相性は抜群ですよ。
さらに緑三角形が二等辺三角形。問題文よりDG=GEなのでCG⊥DE
ここで伸ばした平行線が活きてきますね。ちょっと見やすくしますね。
ここで直角二等辺三角形が見えます。
AD=12なのでAI=6√2
平行線と線分比よりAD:DB=1:1なのでAI:IJ=1:1
HG(CG)⊥DEなので四角形GHJIは長方形。ゆえにGH=IJ
したがってAI=GH=
6√2
作図技術を駆使すればこの問題は簡単でしょう。
しかしこの問題、三角形CDEが二等辺三角形まで辿りついて、DE⊥GCまでは求めれるんですが、そこから相似や台形の面積(GHを高さとして)へ考えが向いてしまうと、すごく時間が喰われる問題なんです。なぜかってこの問題FCの長さを求められてしまうからなんです。
AC=12√3 CE=12より
AE=12√3-12
平行線と線分比よりEF=12√3-12
AF=AE+EF=24√3-24
FC=AC-AF=12√3-(24√3-24)
=24-12√3
これでBFを三平方の定理で求めたくなるけど、平方根の中に平方根。
工夫すればできそうな気がして三角形CBF∽三角形GCEを利用したり…
この時点でもう迷宮入りですね。
ここはシンプルに、三平方の定理の際に1辺が平方根を含む多項式になったら、その解法は諦めると決めておくだけで良いでしょう。
では次回は関数の解説をしますね。
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