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2024年3月

2024年3月15日 (金)

AIコースについて

いきなり新規の問合せで聞かれて驚きました。

鷺沼校はAIコースはないのですかと。

何の話しだと思ったら、個別ゼミWillでAIコースって始まったんですね。

知らんかった。

で、結論から言うと、やりません。

なぜかって、それならお家でスマイルゼミをやってればいいでしょ。

AI学習で最も業績を上げてるのはスマイルゼミ。そこには大量のお金が集まっているから、バックアップ体制も最高のはず。

AI事業って情報量がものをいうから、人の様に能力に関係なくお金がたくさんあるところが勝つ方式になっています。

問題ないと思うのでこの辺で公言しておくと、個別ゼミWillという会社と個別ゼミWill鷺沼校は同じ会社ではありますが、全く違う塾だと考えてください。近いうち塾名も分けてもらえるように交渉しようと思います。

私が個別ゼミWill鷺沼校で構築した「思考力を鍛える授業」「目黒指導の5コア」は個別ゼミWill鷺沼校独自のものであり、他校舎にはその内容も共有していないため、私の教室のみのものです。

ちなみに私自身、他校舎が何をやっているかも知りません。

そう、完全に個別ゼミWill鷺沼校は目黒塾です。笑。

事務的なものだけ一緒。

 

AI&タブレットをやらない理由は簡単です。

塾業界でAI&タブレットが始まったのは「生徒のためになる」からではないからです。

塾というのは原材料費は0です。つまり支出の大半が人件費になります。

これを抑えることができれば、塾としては生徒数がもっと少なくなっても賃料+αで稼げてしまうのです。

簡単に言えば最近はやりの「レンタル自習室」。うちの下の階にもあります。

もっと極端な話をすれば、コインパーキングですね。

経営者にとって楽なんですよ。

今塾業界は空前の人材不足で、聞くところによると教室長が2教室兼任で行ったりきたししている塾もあると。

そんな状況で成績が伸びるはずがない。

タブレットで授業をすれば、講師不足も一気に解決。

単に、経営者側の利であって、家庭には「価格が安くなる」というメリットしかない。

でも成績って、その子の人生を左右しますよ。

最愛の息子が癌になって「治療費がより安い病院」を探しますか?

塾の「安い」はメリットではない。平均的な塾より突出して安いというのは、それだけ営利主義になっている証拠です。

人材が劣悪なのか、環境が劣悪なのか。

となると、家庭のメリットなんて1mmもないんです。

 

では成果はでるのか。結論は簡単です。

その子が全国で平均的な力を持っていて、平均的な習得能力があれば、平均的な学力層の大学に行けます。

AIの性質を考えれば簡単に答えは出るのです。

AIは自ら何かを生み出すことはできません。膨大な情報を持って最適解を発見するシステムです。

したがって、平均的な子に当てはまるケースしか導き出せません。

 

さらにAIの教育における限界はすでに実験で証明されています。

東洋経済から出版されている「AIに負けない子供を育てる」を著した新井紀子さんが2011年から「ロボットは東大に入れるか」という命題の10年がかりの人工知能プロジェクトを行なってきました。

結果は「人工知能は東大に合格できない」という結論です。

この本を読めばわかるのですが、入試を解くこととAIは非常に相性が悪いのです。

極論を言えば、東大の入試はパソコンを持って調べながら受けても合格できないという事になりますが、そんなの当たり前で、結局は情報をどうやって使うかが問われるのが入試であり、データを知っていることで解けるのは例を無限に入力できる数学と、社会科のその一部のみなんです。

私の持論は、自分で解けないなら指導はできない。

当たり前の事なんです。だから私は徹底的に問題を解きまくる。高3生の志望大学はもちろん全校、赤本を解く。

解いたことをご家庭に理解してもらうためにエビデンスをこのHPに残すようにしています。

口だけの人多いから…

AIでは合格できない大学がある以上、指導できない領域があるのです。

 

そしてもっと言えば、2021年から始まった「高大接続試験改革」で共通試験が変わってきています。

それに準じて小・中・高の指導要綱も変わりました。ついに来年度から小学校の教科書改訂を持って3カテゴリー全て変更です。

学力の定義を「どれだけたくさん覚えているか」から「情報をどうやって使うか」へ。

つまり思考力=学力の時代です。

なぜそうなったかというと…

・今後迎えるAI社会において、「AIができる事はAIに、AIが出来ない事を人間がやる」時代が来る。

・「たくさん知識がある」はAIが担当する。

・AIが出来ない事を担う人材を育てるために教育を思考力へ。

その思考力を育てるための学習をAIが担当?

ここに大きな矛盾が発生しましたね。

そんなことできるわけない。

 

最後に、AIに任せると、社員は生徒の成績を、客観的なものさしでしか見れなくなります。

私の最大の武器は月間100授業、年間1200授業をこなし、父母面談を15年行ってきた経験値です。

これがAIに任せると、経験を積めなくなります。

人財としての成長も無くなる。

 

結局は商品なんです。

新しいものに名前を付けて、それを売って稼ぐ功利主義。

新しいものは出始めの一定期間は客が殺到するから、それに乗っかりたいだけの利益至上主義なんです。

私は、それ自身を悪とは言いませんが、AIという名前に飛びつく家庭が悪いと思います。

「聞いてなかった」「こんなはずじゃなかった」なんて言わないでくださいね。

大切なお子さんを守れるのって親御さんしかいないんだから。

 

そしてこれが最も大きな理由です。

AIティーチャーより私と私の右腕石山講師の方がはるかに実力が上だから。

授業ひとつとってもそうですが、それ以上に、私たちは生徒に火をつけます。

感情論です、根性論です。

そんなの古いと思う方はどうぞAIティーチャーへ。

 

なぜAIを私の会社が鷺沼校に導入しないのか。それは社長も私とAIでは私の方が上回っていることを理解しているから。

AIを入れる事によって鷺沼校の指導の質が低下するという事。

経営者的な目線でいえば、私がやった方がAIを入れるより稼ぐという事。まあ、経営者はこれでいいんですよね。

うん、私は会社に評価されているな。

そして安心してください、私は会社が営利主義に走っても断固闘うタイプです。経営者からすると最も嫌な社員です。笑。

そこには私の大切な大切な生徒の将来がかかっているので、常にクビ覚悟で戦います。

クビになったら面倒な契約が全部クリアになるので、鷺沼に目黒塾を開講します。

つまり、どう転んでも、私を信頼して生徒を預けてくださっているご家庭には何の影響もありません。

 

私の教師の原点は、私が子供のころに出会った、どこまでも生徒のために行動できる熱血先生。

私は「生徒のために怒り、笑い、そして泣くぞ」と自信を持って宣言できます。

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2024年3月13日 (水)

令和6年度 神奈川県公立高校入試(数学) 詳細解説④

前回最終回といいながら、追加であと1回書きます。

なぜもう1回書くことになったかというと、私のブログの解説を見た子から、どうしても問3エの濃度の問題を解説してほしいとの要望が。

「え?こんなイージーな問題を??」

様々なところのHPに書かれている評価も解き方も、全部複雑。

これは簡単だからスルーだろと思ったらまさかの難問指定にちょっと驚きました。

もちろん私が解けるから簡単という意味ではありません。

その部分を証明するために下記に指導方法まで記載しました。

 

という事で難問と気が付きもしなかったのですが、解説を載せる事にしました。

さて、2025年度過去問(声の教育社)はどんな解説を載せるのかな~発売が楽しみ。

先に書いておきます。

暗記に頼るからこんなイージー問題を落とすんです。

確かに2次方程式の難問で「食塩水汲みだし問題」があって似てますよね。でもこれ、全然イージーですよ。

 

では行ってみよう!

Hp188

目黒指導の5コア「問題を解くのではなくヒントを増やす」

日ごろからこれさえさせておけば、問題なくできます。

では増やします。

・4%の食塩水300g⇒食塩は12g入っている

・食塩水をag汲みだす⇒減少する食塩は0.04ag

・300gからagの食塩水を汲みだし代わりにagの食塩を入れるから⇒残った食塩水は300gに戻る

・これが12%だから⇒最後にある食塩は36g

 

ここまで簡単にできますね。aがなければ小学校5年生でもできます。

では立式(日本語つき)

(最初の食塩の量)-(減少した食塩の量)+(加えた食塩の量)=(残った食塩の量)

   12    -     0.04a   +   a     =  36

0.96a=24

a=25

 

まさかの1次方程式。笑。

普通にこうやって解いたから、解説を載せる前に「載せるまでもない」って思ってしまいました。

「食塩汲みだし問題」なんて名前つけて、2次方程式の問題にカテゴリー分けして覚えるから、複雑な解き方をしなくてはならなかったのかな~。逆にそういった塾指導の盲点を突いてきた神奈川県は立派。

テクニック的なことを披露するすきすらないまま終わってしまった。。。

今回の一連の解説で初の図解すらナシ。手間は全くかからなかったからいいのですが。

せっかくだからもう少し書きます。

大学受験を指導する先生的に言えば、もっともっとイ―ジーなんです。

別に高校生のスキルを使うわけではないですよ。共通試験の「わからなかった時の回避方法」を使います。

まずは時短のため

等しい量の水と食塩を交換したと仮定して、交換した水と食塩の量は36-12=24g

これは先ほど書きましたが小5でもできます。

てことは汲みだして食塩が減っている分を考慮すると加える食塩の量は24gより多いはずなんです。

そして、答えが36gだと最初は食塩が入ってなかった事になるため、答えは⑤⑥⑦の3択。

問題に向き合わず、最初にヒントを増やしていけばここまでは簡単にわかります。

問題に向き合うから盲目になり「解き方」って思考が向いてしまうんです。もっと柔らかくないと大学受験は無理ですよ。

さてではここから代入です。笑。

⑤25

300-25=275

残った食塩は275×0.04=550×0.02=11g(せっかくなんで暗算方法も掲載)

ここに25gの食塩を加えると

11+25=36gで12%(まさかの最初が正解)

念のため

⑥28

300-28=272

残った食塩は272×0.04=544×0.02=10.88g(この時点で小数があるから不適当)

ここに28gの食塩を加えると38.88

300-30=270

270×0.04=540×0.02=10.80(この時点で小数があるから不適当)

10.80+30=40.8

 

時短のための絞り込み(赤字)ができなくても①から代入していけば、答えはでます。

そしてHPではわかりやすくするために全部書きましたが解答群が全て整数なので、途中で求められた食塩の量に小数が出た時点で不適当にしていけばいいだけなんです。

これで小学校5年生でも解けるレベルになりましたな。

おそらく所要時間5分。

まあ、流石に大手集団塾さんが「①~⑧まで代入していこう」なんて解説をHPに掲載するわけにもいかない気もしますが。笑。

作問者の突かれたくないところを突くならば、こういった問題は代入で解けてしまうから、だから選択肢は8個もあるんです。

他の問題は4択か6択でしょ?

そして極力真ん中に隠したい。代入していくなら①スタートか⑧スタートになりますからね。

この辺はあくまで邪推レベルですが、これも立派な戦い方です。

 

どうですか?

「解き方の呪縛」に囚われるって怖いでしょう。

こんな原始的なやり方で解ける問も、難問に変えてくれます。

やっと高校入試にも「解き方の呪縛」系問題が登場しましたね。

 

 

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2024年3月11日 (月)

令和6年度 神奈川県公立高校入試(数学) 詳細解説③

令和6年度神奈川県公立高校入試(数学)最終回

問6の空間図形

この問題はかなりイージーでした。

問6が難しいと思いこむと駄目かもしれませんが、作図力であっさりクリアできます。

ここでも目黒指導の5コア「作図はどんなに簡単な問題でもさせる」が活きてきます。

練習では答えを出すことより、作図の訓練の方が大事です。

「その作図を使う、使わないに関係せず書きなさい」

これ、毎日言ってるなぁ~

 

では(ア)から

Hp182

三角錐の展開図が掲載された問題。

これもいつも言ってますが、「展開図は組み立てる」「立体図は展開図にする」

この作業は大事ですね。

まずは目黒指導の5コア「問題を解くのではなく文章題のヒントからヒントを増やす」

こんな感じになります。

Hp183

立体図にすると

Hp184

体積 =底面積×高さ÷3

   =⊿BCDの面積×AE÷3

   =(6×4÷2)×10÷3

   =40

 

 

(イ)

点G→AI→点F

Hp185

この直線は⊿ABDを通らないので、切開する辺はAB・BE・ED

展開図にすると

Hp186_20240311163201

これを必要な部分だけ残して見やすくすると

Hp187

平行線と線分比より

HJ=1/2AF

 =5

GK=1/3AF

 =10/3

GI=GK-HJ

 =5/3…①

JF=1/2DF

 =5/2

FK=1/3FB

 =5/3

JK=JF+FK=HI

 =25/6…②

①②より直角三角形HIGの三平方の定理でGHを求める

GH²=HI²+GI²

   =25/9+25×25/36

   =4×25/36+25×25/36

   =(4+25)×25/36

   =29×5²/6²

GH=5√29/6

ちなみにちょっと特殊な計算をしていますが、受験で25²はしたくないですね。

解答欄から推測しても綺麗な形になるので、上記の様な計算をしてます。

これも練習で「できるからやらない」では力が付きません。

ちなみにこういった工夫は常に心がけましょう。

高校物理で相当役に立ちます。

 

どうですか?問6は簡単でしたね。

いつも入試では問6(イ)の正答率が低くなるように作られますが、今年度は圧倒的に問3(ア)ⅱと(ウ)を難しく作られ、時間配分が上手く出来なかったり、序盤で出来ない問題を2問並べられて焦ってしまい後半に影響が出た子も多数いたと推測されます。

前半に難問を配置するのは私は反対派です。

これは純粋な学力ではなくメンタル勝負になってしまうから。

大学受験ならそれでいいんですが、中学生はまだ精神的に成長していない子と成長してる子に差がありすぎる。

と文句を言っても始まらないんですけどね。

こういうケースもあると、しっかり想定して入試に挑ませるのが私の仕事なんで。

 

 

 

 

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2024年3月 8日 (金)

有馬中2年 学年末テスト精査

時々掲載しますが、私は必ず定期テストの精査を行います。

理由は単純ですが、自教室で使っている教材から定期テストにどのくらい出題されているかを調べる為。

自信を持って、この教材をしっかりやっておこうと生徒に言えるように、教材はこだわって選定しています。

掲載のなかった問題は1題ありましたが、そもそも問題の難易度は標準なので、特に気になりません。

 

Hp181

学年末テストだけあって、出題範囲が中1からと厄介ですね。

問題の難易度としては、問3(3)と問4の(3)~(6)の角度を求める問題、問6(2)、問12が高め。

あとはミスなく正解しておきたいところですね。

角度を求める問題は公立高校入試でも難問が出るため、今回の問題が6問全部正解ではなかった場合は要練習です。

同様に問3のⅠ次関数と面積の問題も公立高校入試の必須問題なので、できなかった場合は必ず復習しましょう。

 

せっかくなので近日残りの教科に関しても書きますね。

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令和6年度 神奈川県公立高校入試(数学) 詳細解説②

予告通り関数(問4)を解説します。

問4は過去問とほとんど同じという捻りがない問題でした。

問4は(ア)は誰でも解ける (イ)偏差値45以上の学校なら解く必要がある (ウ)偏差値55以上の学校なら解く必要がある

って感じです。

ではいつも通りです。

目黒指導の5コア「問題を解くのではなく文章題のヒントからヒントを増やす」

さて問題文の初期図形

Hp174_20240308133801

問題文のヒントをからヒントを増やします。

Hp175_20240308135701

ヒントを赤線で引いてみると、ほぼ全文ヒントですね(笑)

では順に行きます。

(1)A点のY座標が6と決定

(2)A点のX座標が-6と決定

(3)B点の座標が(6,6)と決定

(4)C点の座標が(-2、6)と決定

(5)D点の座標が(-6,0)と決定

(6)E点の座標が(-6、3)と決定

(7)F点の座標が(1、-3)と決定

注)(7)の座標決定は相似で決定。下記の図形参照。

Hp176

 

これで準備完了。必要な座標が全て出そろいました。

では問題に着手します。

(ア)曲線③の式は点A代入

6=36×a

a=1/6

(イ)点Eと点Fから

3=-6m+n

-3=m+n

を連立してm=-6/7 n=-15/7

 

(ウ)この問題は座標点が軸上にない時点で「等積変形」に進むのが良いでしょう。

力技でも解けます。別解は持てるだけ持って行けが私のモットウなので両方掲載。

では等積変形から。

2回行います。まずは三角形CEFの面積から

Hp177

青三角(CEF)を緑三角(CHF)に等積変形します。

まずは点Eと点Hを通り直線CFに平行な直線の式を求めましょう。

直線CFの傾きは点C(-2,6)と点F(1、-3)よりXの増加量+3 Yの増加量-9となり-3とわかります。

したがって直線EHの傾きも-3.点Eを通るので

3=-3×(-6)+b

b=-15

直線EH:Y=-3X-15

点H(-5、0)

緑三角の面積は5×6÷2+5×3÷2=45/2

これで前半終了

もう一つの等積変形へ

Hp178

先ず緑の三角形の面積は⊿CEF:⊿COG=3:2より

45/2×2/3=15

また、⊿CEFの面積はOIを底辺とみて OI×6÷2=3OI

ゆえに15=3OI

OI=5

つまり点Iの座標が(5、0)となる

点G、点Iを通り辺CFに平行な直線の傾きは-3なので、

Y=-3×X+bに点I(5,0)を代入して

0=-3×5+b

b=15

したがって直線GIはY=-3X+15

点Gは直線DBと直線GIの交点なので

Y=1/2X+3

Y=-3X+15

を連立して

X=24/7

これで終了です。

等積変形は神奈川県公立高校入試の問4ウにかなり有効なので、他に解き方が見つかったとしても、常に等積変形で解く方法もチャレンジすべきです。難しいからって敬遠すると力がつかないです。

 

では別解も提示しておきましょう。

Hp179

三角形CFE=7×9-(4×3÷2+7×6÷2+3×9÷2)

=45/2

三角形COG=⊿CEF×2/3=15

Hp180

 

点G座標のx座標をgとすると点Gは直線BD上の点なのでY=1/2g+3となる。

点Gは(g、1/2g+3)

三角形OCG

(2+g)×6-(2×6÷2)-g(1/2g+3)÷2-(g+2){6-(1/2g+3)}÷2=15

(2+g)×12-(2×6)-g(1/2g+3)-(g+2)(-1/2g+3)=30

(2+g)×24-24-g(g+6)+(g+2)(g-6)=60

48+24g-24-g²-6g+g²-4g-12=60

14g=48

g=24/7

計算は面倒ですが、解き方としては小学生でやった三角形の面積の求め方で出来ます。

これも私がよく授業で教える事ですが

「論理の簡単な解き方は計算が膨大になる」

「論理の難しい解き方は計算が簡素になる」

両方できることが大事です。

そして論理の難しい解き方が思いつかなかったら、膨大な計算をミスなく、怯まず、解ききる。

 

結果的に神奈川県公立入試数学問4ウは目黒指導の5コア「どんな簡単な問題でも作図する」を徹底しておけば難なく解ける問題なのです。

 

では次回2024年公立高校入試問題数学の最終回空間図形編を掲載しますね。

 

 

 

 

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2024年3月 6日 (水)

別解のすゝめ~数Ⅱを習い終えたら~

このブログでしばしば書く「別解」ですが、本当にやった方が良いですよ。

共通試験って、簡単に言えば、作問者が考えた解き方に乗っかって答えを出すので、1解しか持ってない子にとっては難攻不落になります。

では本日の高2生の授業から(定期テスト終わって1回目)

私はこの時期の高2生の数Ⅲを習わない子たちには(農学部・看護学部・生命系理学部志望)数Ⅱを数Ⅰに活かす方法を指導します。

問題は

Hp173

これ自体はそこまで難しくはないです。

解答はこんな感じ。

Hp174

平方完成して頂点を比較して、答え!

ちなみにこれが分らない子はかなりマズイと思ってくださいね。

 

ここで「解けたぜ~余裕!」って子は受験でズッコケます。

ここで、この問題を使って「他に解き方は無いか!?」と思える子は間違いなく来春にガッツポーズを決めてる事でしょう。

 

では別解

Hp175

ホワイトボードの黒さ(字数)が違いますね~

これは微分して、f’(x)=0の点が極値(=頂点)という考えで解いてます。

特に微分は数Ⅰとの親和性が高いので、数Ⅱで微積をマスターしたら、数Ⅰでガンガン使ってみるのが良いです。

ただ、必ず数Ⅰの知識だけで解く練習も必要です。

 

大学入試で苦しいのは、その問題がどの単元なのか判断しにくい事にもあります。

現行の学校の授業では単元ごとの学習をするし、問題集は単元ごとに掲載されてます。

だから、こちらからその単元を越えてやればいいんです。

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2024年3月 5日 (火)

高校3年生 締め切り間近

個別ゼミWill鷺沼校の高3生(既卒生も含む2025年度大学受験)は例年通り3/30で入塾を締め切らせていただきます。

昨年もそれ以降のお問合せを頂きましたが、すべてお断りさせていただきました。

今年度も同様に、高校受験を私の教室で行った生徒(復会)を除き、例外なくお断りさせていただきます。

もちろん資料請求を3月中にしていただいたり、面談を3月中にしていただいても、3/30までに入塾頂いてない場合はお断りさせていただきます。

理由といたしましては、私の教室では大学受験指導をする講師陣は徹底的に志望校の赤本研究を行い、1年間のファイトプランを練ります。

4月以降の入塾になると、その計画はどこかで大きな負荷をかけないと達成できなくなり、その結果他の受験生にも影響が出てしまいます。

また私は子供たちと一緒に受験をするうえで一人一人にしっかり向き合いたいとも考えております。

なので、生徒の人数も中学受験は各学年5名まで、高校受験は10名まで、大学受験の一般受験は10名までと決めております。

 

現在は中学受験コースの新小学校5年生があと2枠で締切です。

新高校2年生と新中学校1年生が多数在籍しているため、この学年は受験学年になる前に締め切らさせていただく可能性がございます。

大変心苦しい事ではありますが、その分、私の生徒として受験を迎える際には、新たに入塾してきた子に手をかけたりみたいな状況にはならないことをお約束させていただきます。

 

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2024年3月 4日 (月)

令和6年度 神奈川県公立高校入試(数学) 詳細解説①

英語と違って数学は解説を載せます。

声の教育社・東京学参から出版される「令和7年度用の過去問」が販売される前に見たい方はこちらをご覧ください。

今回は図形問題2問。

まずは問3 ア(ⅱ)

問3アは塾の先生的に言えば「補助線を引かない」パターンです。

目黒指導の5コアの一つ「自分の知っている形に問題の方を引き込む」これで解決。

問題文はこんな感じ。

Hp165_20240304113701

一見複雑ですが、これでどうでしょう?

一部の線を消しました。

Hp166_20240304114201

この形は塾用教材にも掲載されている基本問題です。

ちなみにうちの教室で使っているiワーク、jack、新中学生問題集すべてに掲載されています。

これで⊿ICDと⊿AHCのに注目する問題であることが見えてきます。

ゴールから逆算した「解法プラン」

∠AEBを求める→∠EABと∠EBAを求める→

①∠EBA=∠ACB(問題文より三角形ABCは二等辺三角形) 

②∠EAB=∠BCD(円周角)

ここで目黒指導の5コアの一つ「問題を解くのではなくヒントを増やす」

最初に書いた「知っている形」を利用しながらヒントを増やしましょう。

 

Hp1667

(ⅰ)の相似(赤三角・青三角)と問題文のヒントから緑三角が二等辺三角形であることがわかりさらに頂角が58°と出てきます。

これで解法プラン②がクリアになりました。

ここで∠ACB=Xとして考えていきましょう。

Hp168

これで準備完了。

∠CAH=∠CDI(円周角)

青三角の内角の和より∠CAH=180-(119+X)=61-X

橙三角の内角の和より∠CDI=180-(122-X)-73=X-15

61-x=X-15

X=38

これで解法プラン①がクリア

180-38-58=84°

 

 

次に問3 ウ 

Hp169

問3ウは塾の先生的に言えば「補助線を引かないと解けない」パターン

最初に書いておきますが、私の解法を見たら「簡単な問題」と思うでしょう。

しかし、この問題難しいですよ。補助線追加問題は選択肢が多すぎる。

そして間違った方に誘導されて時間題ものすごく喰われる問題です。

ここでも目黒指導の5コア「作図は簡単な問題でも絶対にする」「問題を解くのではなく、ヒントを増やす」

この2つで解決します。

まず私は指導の際に「平行線は必ず伸ばす」と教えてます。

平時の授業で「解けるから」と言う理由でやってくれない生徒もいます。それがこういう問題で重くのしかかる事を覚えておいてください。

私の授業は常に大学入試レベルを睨んでます。つまりは、定期テストで点を取る事ではなく、「難問入試」を解くための技術を教えています。

ではまずはヒントを増やしていきましょう。

Hp170

さて問題文のヒントを落とし込むとこんな感じ。

ここでDB=BC、∠DBC=60°が見えてるから正三角形を作ってしまいましょう。

Hp171

正三角形ができるとCD=CE=12という事が分り、角度をどんどん求めていくと∠ADE=45°が分ります。

45°と直角の相性は抜群ですよ。

さらに緑三角形が二等辺三角形。問題文よりDG=GEなのでCG⊥DE

ここで伸ばした平行線が活きてきますね。ちょっと見やすくしますね。

Hp172_20240304124301

ここで直角二等辺三角形が見えます。

AD=12なのでAI=6√2

平行線と線分比よりAD:DB=1:1なのでAI:IJ=1:1

HG(CG)⊥DEなので四角形GHJIは長方形。ゆえにGH=IJ

したがってAI=GH=

6√2

 

作図技術を駆使すればこの問題は簡単でしょう。

しかしこの問題、三角形CDEが二等辺三角形まで辿りついて、DE⊥GCまでは求めれるんですが、そこから相似や台形の面積(GHを高さとして)へ考えが向いてしまうと、すごく時間が喰われる問題なんです。なぜかってこの問題FCの長さを求められてしまうからなんです。

AC=12√3    CE=12より

AE=12√3-12

平行線と線分比よりEF=12√3-12

AF=AE+EF=24√3-24

FC=AC-AF=12√3-(24√3-24)

     =24-12√3

これでBFを三平方の定理で求めたくなるけど、平方根の中に平方根。

工夫すればできそうな気がして三角形CBF∽三角形GCEを利用したり…

この時点でもう迷宮入りですね。

ここはシンプルに、三平方の定理の際に1辺が平方根を含む多項式になったら、その解法は諦めると決めておくだけで良いでしょう。

では次回は関数の解説をしますね。

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