神奈川県 公立高校入試 英語
2024年度神奈川県公立高校入試の英語の総括を書きます。
まずは多くの生徒たちから「難しくなった」の声が上がっていますが、実際はどう評価すべきでしょう。
私は間違いなく「難しい」と答えます。
たまに「そこまで難しくない」と評価している人がいますが、それは素人評価です。
自分で解けるか解けないかの話をすれば、そりゃ「スーパー簡単でした」って評価ですよ。
自分が解けるかどうかの基準なら高校レベルだと早慶の問題でも簡単ですよ。
我々塾の講師は「入試当日に生徒に正解させること」が難しいか、簡単かで入試を評価します。
その点では「難しい」という評価が妥当かと。
では「何がこの入試を難しくしているか」を考えながら詳細を書いていきます。
まずは問2の単語補充問題。
単語レベルは標準的。川崎市準拠の光村図書の教科書で確認しました。
単語の後ろの学年はどの学年の教科書に載っているかという事です。
(ア)course 中1 / degree 中3 /neighbor 中1 /theatar 中2
(イ)fall 中1 / fold 中3 / hurt 中2 / miss 中1
(ウ)careful 中2 / official 中3 / similar 中3 / successful 中1
学校教科書で完全にカバーされてます。その他選択肢以外で難解な単語も無いため、ひたすらに英単語を練習していれば問題ない。
ちなみに私の教室でテスト用に使う単語帳でももちろん100%カバーしています。
問3
文法事項をうろ覚えだと解けませんね。
(ア)soが接続詞。これさえわかれば次は主語=名詞なので動名詞の形が正解
(イ)different(形容詞)が括弧の後ろにあるため、形容詞単独で名詞を修飾するのに後置になるのは~thingの形のみ
(ウ)使役表現(make・have・let)+人+原形
(エ)前置詞選択。分らなくても消去法で解ける。
あえてのこのくらいシンプルに問題を作られた方が解きにくいです。
問4
整序はコツがあります。最優先で動詞の数、名詞の数を明確にして、節(主述の関係)を捉える事。
難しかったのは(イ)(ウ)かな。(エ)は構文だから対策しやすい。
(イ)主格の疑問文。主語は「どちらの日が」 目的格の疑問文はみんな間違えないけど主格は間違えやすい。
主にwhat who whichで作ります。単に主語と取り替えるだけ。
例文:which looks more big?「どちらが大きく見えますか?」
この問題の厄介なところは疑問詞+名詞の疑問文と混同させるところ。
例文:What kind of food do you like.
まあ選択肢にdo が無い事と youの部分が選択しない部分になってることが優しさですね。
日本語の厄介なところは、主語が分りにくいという事です。
一見ですが
どちらの日が都合がいいですか?
どの食べ物が好きですか?
共に同じ文法で「どちらの日」「どの食べ物」が主語に見えますが
上の文は「ある日は都合がいい」で主語と補語の関係を作れますが
下の文は「ある食べ物は好き」という文を考えると「好き」の状態主は「ある食べ物」ではないので主語ではないことが分ります。
英語では明確に違うことが日本語では分りにくい部分をしっかり理解せねばなりませんね。
これは私がいつも指導している「何が違う」の英語・日本語版です。
(ウ)はよく見たら簡単なのですが、緊張状態で見ると大混乱です。
何かって、「visitors」と「visitors` 」です。このvisitorsはvisitorの複数形です。これを所有格と勘違いして「観光客たちの靴」とするとドツボですね。
これをちゃんと判断できればあとは主語と動詞の数。文頭がtheだからまずは1つ目の主語から。( )の直後にareがあるので、もう一つの主語が存在するはず。接続詞は無いため、関係代名詞が濃厚。ということで
All the shoes are on that shelfという主節が見えてきます。
関係代名詞節でshoesを修飾するとして、「観光客が脱いだ靴」になればいいから
All the shoes (which)the visitors took off are on that shelfで完成。
受験塾風に言えば、問4には関係代名詞が出るから、動詞がたくさんあれば関係代名詞の省略を疑う。
問5は例年通りなので省略
さて問題児の問6
例年は計算を要する数学と英語の横断問題。
しかし今年度は文章とグラフと正しく理解する問題。
グラフに水位が出ていないことがとてもキツイ。
when nature is lost because of gray infrastructure , rain water runs into river very fast during heavy rain
の一文とGraph2が合致しにくいんです。
グラフでは1965年が11時間、降雨の最盛時が続くと洪水になる(11時間は耐えられる)が
1995年は2時間、降雨の最盛時が続くと洪水になるという解釈なのですが、
グラフを1965年は11時間もの降雨の最盛時が続いてしまったと読み取るとどうにもなりません
この手の問題をクリアするためには、この問題を初めて認識したのでは厳しいですね。
事前に「森林伐採を行うと、地滑りが起ってしまう」という環境問題を知っていると楽ですね。
文章の後半で説明される「自然は水をためておく装置」というのも「知っている知識」で解けるとよい。
つまり、国語の説明文を解く感覚に近い問題になってしまっている。
これは実は大学入試でもこの傾向が強くなってきていて、今後もこの出題手法は増えていくと予想されます。
問7、問8は例年通りの問題でした。
長文3題の単語チェックもしましたが全て光村図書の教科書に載っている単語しか使われていませんでした。
漠然と「簡単」「難しい」と思わずにこうして分解してみてみるとやるべきことは明確になってきますね。
さて次は数学を掲載予定です。
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