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2024年1月

2024年1月31日 (水)

心・技・体

近年ずっと考えていたことにやっと答えが出ました。

私は昨今はやってきているEスポーツなるものに、ずっと違和感を覚えていたのです。

しかし、頭から否定することは嫌いなので、色々と思案していました。

様々なゲーム実況配信やEスポーツを見て、自分の嫌悪感が偏見、つまり「ゲームはダメな事」からきているのではないかと考えていたのです。

それは時代時代の価値観の相違で、10年後に価値観ではEスポーツもオリンピックの競技の様に受け入れられるものなのかもしれない。

例えばサザエさんの世界ではカツオが空き地で野球ばっかりやってサザエさんやお父さんに怒られています。

しかし、いまや大谷翔平が全国の小学校にグローブを寄贈し「野球やろうぜ!」をキャッチフレーズに野球に触れようってのを、各学校が受け入れて、野球=良い事に変貌してきました。

ゲームもいつかは「頑張ってやりなさい!」って時代になるのか。

 

こんな事を2年ほど、何となくではありますが考えているうちに、2023年のロボコンを見ていて答えが見えてきました。

ロボコンは属性的にはスポーツとEスポーツのどちらに近いかと言えば、Eスポーツよりなんじゃないかなって思っていたのですが、ロボコンを見てとても感動しました。「あれ?」って思うくらい心が動かされて、そして見えてきたものがありました。

私の心を動かすものは心・技・体があるものなんだ。

Eスポーツには「体」が欠けているんです。

ロボコンは?というと体はロボットです。日々の研究と実験の繰り返しで、学校ごとに全く違ったロボットが出来上がります。

これってスポーツ選手が体を鍛えるのと同値なんです。

まずは土台となる体を鍛える。

そして技を染み込ませる。

そして強い心を持って挑む。

だから心を引きつけられるんだ。

Eスポーツは体を作るのは、ゲームの開発者です。

一番つらいのって体を作る事なんじゃないだろうか?

Eスポーツはいわばカラオケなんですよ。

とても上手い人のカラオケ聞いて感動しますか?

「凄い!」とは思います。

ゲーム実況とかを見て「面白いな」って思う部分と合致するんです。

詰まる所「エンターテイメント」の延長線上にあるもので、これは競技とは交わらないものなんだなって納得しました。

 

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2024年1月25日 (木)

共通試験 数学①

さて今年も共通試験に触れていきます。

まずは数ⅠAの大問1から。

ハッキリ言って簡単すぎましたね。

現状高校2年生でこれができないようでは国立大学は100%不可能。

理系ならば私大もMARCHは無理でしょう。

ここから何とかしたいなら、大胆に生活や環境を変えるべき。

 

ア~カまでは簡単なので問題ないとして、ここで1点アドバイスを入れると

エオカは因数分解後に代入しましょう。

そこまで大きな差にはなりませんが1分を争うのが共通試験。なにより緊張状態であまり複雑な計算をしない方が良い。

 

私の教室の高校1年生に解かせてみたところ、概ね(コ)で手が止まります。

なのでここで行った授業をそのまま掲載します。

Hp164

要注意は赤四角で囲った部分。

分母がウになってるからすでに解いた「ウ=3」を代入してないか?

だからできない。

私たち指導者なら簡単に分る事だけど、生徒が分らない問題を(3)の解説だけ見て説明は出来ないんです。

それと同じで、それまでの経緯が分らないと解けるわけがない。

という事で赤丸に注目

①と④からなんだから

N<2√13<N+1…①

b=(7+2√13)/3…④

①の辺々に7をたす

N+7<7+2√13<N+8

この式の辺々を3でわる

(N+7)/3<(7+2√13)/3<(N+8)/3

④より

(N+7)/3<b<(N+8)/3

ここでN+7=Mとして

M/3<b<(M+1)/3 

が完成します(赤四角の式)

キクケは簡単だから省略。

でコですね。

②と⑥を使えって指示なので

a=2√13-7…②

3/(M+1)<a<3/M…③

これを先ほど赤四角を作った時と逆のことをします。

M=14なので

3/15<2√13-7<3/14

辺々に7を足して

3/15+7<2√13<3/14+7

辺々を2でわって

3/30+7/2<√13<3/28+7/2

1/10+7/2<√13<3/28+7/2

36/10<√13<101/28

3.6<√13<3.607…

ということで小数第1位(コ)は6 小数第2位(サ)は0になりますね。

 

はい、では(2)にいきます。

こちらは生徒ごとに正誤が割れました。

ちょっと私の自信になったのは、昔から私の授業を受けてる生徒ほど正答率が高かったことです。

それは私の指導のコアの部分「分らなくなった時は具体例でイメージを作る」という手法が、問題そのままだったためです。笑。

 

この問題は前半と後半に分かれます。

前半は「影の長さ」「太陽の高度」が分っていて、電柱の長さを求める問題です。

斜面の角度が7° 影の長さが7m(BC)+4m(CD)  太陽の高度が45°

作図するとこんな感じ

Hp166_20240118145601

BE=CFなので

BE=CD×sin∠DCP

    =4×sin∠DCP(ス・セ)

DE=EF+FD

    =BC+FD

    =BC+CD×cos∠DCP

    =7+4cos∠DCP(ソ・タ・チ)

ここまでは誰でもできますね。

あとは電柱の高さなので

AB=BE+AE

    =BE+DE tan∠DPC…①

で求めれます。

別の計算も出来ますが(直角二等辺三角形の利用)ここまでの解き方を考えるとこれじゃないとダメですね。

実はこれが後半に活きてきます。

 

後半は問題の読み方が大事

求めるものは「影の長さCD」

必要な要素としては前半より

「太陽の高度」 42°が与えられている

後半で手詰まりになる子が続出でしたが

前半の

CD=4をCD=X

∠DPC=45°を42°に変えるだけですね。

 

したがって

BE=X×sin∠DCP

DE=7+X×cos∠DCP

この式を使って①式を解答欄の形に変形します。

AB=BE+DE×tan∠DPC

  =X×sin∠DCP+(7+X×cos∠DCP)tan42°

  =X×sin∠DCP+7×tan42°+X×cos∠DCP×tan42°

 ここで解答欄の形を目指します。

AB-7×tan42°=X×sin∠DCP+X×cos∠DCP×tan42°

        =X(sin∠DCP+cos∠DCP×tan42°)

ゆえに

X=(AB-7×tan42°)/(sin∠DCP+cos∠DCP×tan42°)

となります。

 

普段から「わからない」→「簡単な例で考える」という訓練を行っていれば簡単に解ける問題でしたね。

実は大学入試の数学ってここまであからさまではないにしろ

(1)が具体的数字で

(2)が一般式で

といった流れが多く、だからこそ私は小学生のうちから「わからない」→「具体例で考える」という訓練をさせています。

個別ゼミWill鷺沼校で教える事は「変わらなくなった時の行動」です。

解き方を暗記させれば、あとは沢山問題を覚えて勝負できます。しかしそれが通じるのは高校受験まで。

いい高校に受かることが最終目標のご家庭は、解答を教える塾を選択すべきです。

大学受験を見据えて勉強させたいご家庭は是非私の教室に来てみてください。

 

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2024年1月11日 (木)

入試直前の行動

さて共通試験が今週末に迫ってきました。

試験前にやることを書いておきます。

①得意科目を勉強しすぎない。

得意科目ってやっていると時間が経つのが早いです。そして満足感を与えてくれます。

しかし、それは結構無駄です。なぜなら80点→90点よりも50点→60点の上昇の方が容易いからです。

②苦しい事をする

受験生にとって一番苦しいのは、たぶん英単語でしょう。英単語を1日3時間やったらきっと発狂します。

だからこそやるんです。例えば長文の中の単語が10個不明だったとしよう。これが5個に減るだけで飛躍的に得点率は上がります。

ちなみにこの時期の単語の勉強方法は生徒ごとに異なります。

簡単に言えば、特定の品詞だけを徹底的にやるべきです。英語が苦手な子は動詞のみ、そこそこ得意な子は形容詞・副詞のみ。英語が得意な子は名詞の勉強(この勉強方法は私の教室で教える品詞分解英語を受講している子にしか通じないかもしれません)

③自分の置かれている状況でブラッシュアップをする

例えば志望校との差がある生徒の場合、1つの単元のみに絞って学習します。それが出たら合格、出なければ不合格って勝負をするべきです。

そもそも今の時期からの逆転なんて虫のいい話は無いです。今勉強する理由は、抜かれないためであって、抜くことは出来ないのです。

だったら一発逆転の目を狙って大勝負。

例えば化学でフェノール類のみ徹底的に勉強。

深度的には

・クレゾールセッケン液

・ニトロフェノール/ジニトロフェノール/トリニトロフェノール

・ベンゼンスルホン酸ナトリウムのアルカリ融解

・フェノール類とアルコール類の比較

・酢酸フェニルの製法

このレベルまで叩き込みます。

他にも世界史ならば

プランタジネット朝・ランカスター家・ヨーク家・カペー朝・ヴァロワ朝の家系図を丸暗記。

フィリップ4世(仏カペー朝)の娘イザベルとエドワード2世(英プランタジネット朝)が結婚したことで王位継承争いで百年戦争になったことは有名ですが、もっと突っ込んで調べましょう。

できればあだ名も。欠地王ジョンとランカスター家の宗主ジョン・オブ・ゴードンは別人ですからね。

私たち世代なら知っている映画「ブレイブハート」(メルギブソン監督・主演)のイングランド王がエドワード1世。映画の中でもスコットランドが侵略されていますが、エドワード1世はスコットランドを侵略したことから「ハンマー・オブ・ザ・スコッツ」という恐ろしい名前がついています。

プランタジネット朝の2代は獅子心王、エドワード3世の息子は黒太子。なんかアニメみたいですね。

ここまで深く掘っておいて、初めて、「出れば逆転ホームラン」になるのです。

そう言えば過去に青山学院の日本史で美濃部達吉の天皇機関説が資料として出たけど、これも一発勝負で勉強してたら大逆転ホームランですよね。

 

逆にすでに合格圏内に居る人は、そんな出るか出ないか分らないものの勉強はせずに率で学習する。

1点、2点の上積みが決定打になるため、出題頻度の高いところをまんべんなく学習したり、上記の様な英単語の学習をします。

 

 

大学受験に関して書きましたが、中学受験・高校受験は全く違う手法になります。

こちらは大学受験とは違い「正攻法」があります。

こればかりは内緒です。私の教師としての財産なんで。同じ会社の同僚にすら教えません。笑。

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2024年1月 9日 (火)

合格祈願

もう湯島天神の常連さんと化してきました。笑。

今年も生徒たちの合格祈願。

Hp162

今年は例年に増して人が多かった。

Hp161

いつものように勝どき校の相川先生と。

ついでに日暮里まで歩いて古民家を改装した谷中ビアホールへ行ってきました。

Hp163

「マスク論争」がありますが、もともと私はコロナに関係なく1年の大半をマスクで過ごします。

花粉症なのと、インフルエンザ対策。

私は人生で一度もインフルエンザに罹ったことがないのです。

 

 

 

さて今日からロングスパート。

小学生は学校お休み組はお昼から教室に入ってます。私も通常より2時間早く開校。1月は頑張ります。

まずは今週末の共通試験。

今年は国立受験はいないから、共通テスト利用と試験慣れの意味での受験。

近年は共通試験利用を出来る学校が減ってきているので、色々戦略を立てないと大学受験も勝てなくなってきましたね。

まあ、その辺は個別指導塾が有利かな。細かく生徒ごとに受験プランを立ててあげれるから。

そして2月月初の中学受験。ここが一番緊張する。

小学生はまだまだメンタルが強くはない。

なにが起こるかわからない部分も大きいんですよね。

この辺は、今月「お前は成功する」と暗示をかけて…

そして高校受験。今年は正直そうとう自信があります。

11月、12月に相当鍛えたから、今年の子たちは間違いないでしょ。

あとは私が体を壊さない様にするだけ。

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2024年1月 4日 (木)

あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

すでに個別ゼミWill鷺沼校は新年のスタートを切っております。

今日の受験生の子供たちの顔を見ていると、お正月しっかり学習してきたなって安心できました。

 

新年1発目のブログなので、やはり私の教室の柱でもある「公式に依存しない算数・数学」について書いていこうと思います。

ちょうど今日中学受験対策で行った授業内容を書きます(問題1) 

ついでに共通試験が近いのでテクニックを一つ掲載しておきます(問題2)

 

問題1

ある品物を定価の1割引きで売りましたが、まだ仕入れ値の12.5%の利益がありました。

この品物の定価は仕入れ値の何割何分の利益を見込んでつけられたか。

 

実際のホワイトボードがこんな感じ。

Hp160

授業のポイントは

①具体例でゆるぎないイメージを作る。

②そして公式ではなく、単位量当たりの考え方で解く。

③ノートは7割が日本語、3割が数字。

(なぜこう指導するのかの根拠は今回は省きます)

生徒と問答をしながら進めているため、若干板書の順が前後しています。

授業では最初に問題をグラフ化

ここで生徒が詰まる

具体例でイメージづくり

上段右の仕入れと定価の比比較

と言う順で書いています。

授業は生徒次第で展開が変わるのが個別指導の難しさでもあり、生徒にとっての最大のメリットなので、どうしても板書は定まりにくいです。これが講師泣かせ。

 

 

公式に依存しない授業を極端な例で説明してみましょう。

まずは公式に依存する解き方。

高校数学での共通試験対策授業です。

ちなみに共通試験対策は超スプリントの訓練。

他の数学とは全く別の教科のつもりでやる必要があります。

そのテクニックと共に、公式に依存しない授業の説明しします。

 

問題2

三角形ABCにおいて、b=√3-1 c=√2  A=135°のとき B、Cおよびaを求めよ

 

解法(共通試験ならば・目黒方式)

√3-1=0.73   √2=1.41

∴C=30° 

B=180-165=15°

正弦定理よりa=√2÷sin30×sin135=2

 

この解法の意味が分かった子は共通試験で100点を目指してもいいでしょう。

 

では通常の解法を載せます。

余弦定理より

x²=(√3-1)²+√2²-2×(√3-1)×√2×cos30

この2次方程式を解いてx=2となります。

めんどくさいですね。

計算ミスなんかだしたら終わりです。

 

では目黒式はどう考えたのか。

それは、三角形の内角で三角比で解けるのは30°、45°、60°、90°、120°、135°しかありません。

すでにA=135°なので30°しか選択肢は無いのです。

つまり残りの内角の和45°は30°と15°になります。

そして対辺の長さは対角の長さに比例します(正弦定理より)

したがって√3-1と√2のうち長い√2の対角が30°で決まります。

この間10秒てっところかな。

あとはよりイージーな正弦定理でaの長さを求めて終わりです。

 

便利ですね~

ではなぜ常時これで教えないのか?

答えはなんとなくわかりますよね。

便利な解き方は汎用性に乏しいのです。

この解法は1つの角が135°だから成り立っています。

もし45°だったら、結局は通常の解法で解きます。

また、平時の練習でこの解法を使うと正弦定理、余弦定理の練習をちゃんとできなくなります。

正弦定理がどんな状況で使えて、余弦定理がどんな状況で使えるのかを感覚的に瞬間で判断できるレベルまで訓練しないとならないため、こんな解法で練習したら大事故ですよね。

練習はあくまで「考える力を伸ばすため」に行います。

なので、試験対策と通常の練習は区別されるべきなのです。

ちなみに私は対共通試験用で15°、75°、105°の三角比も覚えています。

これは自分の受験の時に覚えました。意外と使えます。

 

高校生の問題だとあからさまですが、これが中学生・小学生になると、公式って当たり前のように使ってしまうんですよね。

だから高校生で勉強ができなくなります。

 

新年1発目にいきなり重たい内容でしたが、それぞれ中学受験用、大学受験用に分けているので必要な部分のみ読んでみて納得してもらえたらいいのかなと思います。

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