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2023年6月

2023年6月24日 (土)

物理強化の特効薬は作図と別解

作図に関してはもうこのブログでも何度も書いてますが、簡単な問題、必要としない問題でも書く。

それは難しい問題で作図して解くための練習です。

今日は有名進学校の中高一貫校私立の高2生に六方最密構造の問題を教えましたが、やはり作図はまだまだ出来てない。

ちなみに、問題は京都大学の過去問なんで難しいですよ~(笑)

おっと、悪い癖です。話がいきなり脱線しましたね。

今日は物理の話し。

高校1年生の物理基礎で役に立つ解説を、私の授業そのままで掲載します。参考にどうぞ。

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問題

真上に9.8m/sで等速に上昇中の気球が地上から高さ14.7mの高さに達した時点で、気球から小球を静かに離した。

何秒後にこの小球は地面に達するか?

 

ちょっと見慣れない(受験の世界ではありきたりなんですけど)問題ですね。

まずは作図によって見慣れた形に変形します。

まずは気球はやめて、鉛直投げ上げ運動に直します。

上方に等速直線運動してるので、投げ上げの初速は9.8m/sとして

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いきなり見慣れた問題に変わりましたね。

これも問題を解くうえで大事な「自分の知ってる形に置き換える」というテクです。

では、ここから3通りの解き方を。

まずは私がもっと好む形で行きます。

上向きの速度を正として考えますね。

①地上から14.7mを基準面(0m)と置いて

地面は-14.7mになるため

-14.7=9.8t-1/2×9.8t²

49t²-98t-147=0

t²-2t-3=0

(t-3)(t+1)=0

t=3、-1

t≧0なので

t=3    A 3秒後

 

②最高点で速さが一度0になるのでそこから自由落下すると考えて

最高点に達する時間t₁は

0=9.8-9.8t₁

9.8(1-t₁)=0

t₁=1

最高点までは1秒で到達。

最高点の高さは

h=9.8×1-1/2×9.8×1²=4.9

最高点は4.9m

この地点から自由落下するので4.9+14.7=19.6m

地上に到達する時間t₂は

19.6=1/2×9.8(t₂)²

(t₂)²=4

t₂=±2

t₂≧0より

t₂=2 

投げ上げてから地面に達するまでが

1+2=3  A 3秒後

 

③鉛直投げおろしで考える

投げ上げた際は、元の位置に戻ってくると、投げ上げの初速と同じ速さで下向きになるので

下向きに9.8m/sで14.7mを投げ下ろした時に地上に達した時間をt₃とすると

14.7=9.8t₃+1/2×9.8(t₃)²

49(t₃)²+98t₃-147=0

(t₃)²+2t₃-3=0

(t₃+3)(t₃-1)=0

t₃=-3、1

t₃≧0より

t₃=1

 

また、投げ上げた際に元の位置に戻るまでの時間は

0=9.8t₄-1/2×9.8(t₄)²

(t₄)²-2t₄=0

t₄(t₄-2)=0

t₄=0、2

したがってt₄=2

 

投げ上げてから地面に達するまでの時間は

1+2=3  A 3秒後

 

これで3パターン。

練習では全部やるんです。

本番は①推奨ですが…自分が理解しやすい解き方で。

Hp152_20230624221601

 

さらにここでこの問題を応用

問2 気球に乗ってる人から見た場合の小球が地面に到達するときの速さを求めよ。

 

はい物理の大好物「相対速度」

単純に、地上からの速さを求めた後に、気球の速さを考えればOKです。

考え方は①のやり方で行きます。

-14.7mでの速さは

v=9.8-1/2×9.8×3

 =-4.9

つまり下向きに4.9m/s

気球は上向きに9.8m/s

気球から見た小球の速さは4.9+9.8=14.7 

A 14.7m/s

 

ちなみにここでも別解

小球が地面に達する3秒後の状態を考えます。

気球は9.8×3=29.4m上昇してます。

つまり地上までは14.7+29.4=44.1mの高さに居ます。

気球に乗っている人が止まっていると仮定した場合、小球は44.1mの高さから3秒で地面に達したことになるため

44.1÷3=14.7

A 14.7m/s

 

こうやってたくさん別解を作っていくと、公式マンから脱することができます。

これで大学入試も定期テストの怖くない。

これこそ物理強化の特効薬です。

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2023年6月17日 (土)

イメージを作る授業

数学って観念なので、具体化していくことが数学をマスターするうえで大事な事になります。

個別ゼミWill鷺沼校の授業はこの具体化=イメージを作る授業を大事にしています。

具体的なケースで説明しますね。

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これはある小学生(中学受験予定)の子の授業です。

問題

白のタイルを2枚と黒のタイルを2枚の合計4枚のタイルを壁に横1列に貼っていく。

この時何通りの模様を作ることができるか

 

樹形図ができずに困っていました。

ここで解き方を教えないのが個別ゼミWill鷺沼校の授業。

ここでイメージを作っていきます。より具体的かつ簡単な方がいいので数字で考えてもらいました。

まずは即興でカードを作成

Hp156

このカードの中からまずは1.2.3の三種類で作れる3ケタの数を樹形図を書きながら求めてもらいました。

もちろんクリアです。

次に1.1.2の3枚で同じ作業をしてもらいました。

ここで1.1の様に同じ数がある時の扱いを理解できたようです。

最後に1.1.2.3の4枚で同じことをやりました。

ここまで問題なくクリアできました。

 

なんでカードを使ったかというと、カードがなければ使う数の回数を間違えたり、使ってない数字が出るからです。

物理的に存在するカードではそういったことが起りません。

 

ここまでやった後に、さっきの問題を解かせたところ、すんなり正解できました。

もちろん必ず物理的な道具を使うかと言えばそうではないのですが、ホワイトボードに作図するなりしてイメージを作っていきます。

この際大事な事は、実際の問題よりスケールをダウンしていくことが大事です。

そこから問題へつなげていく作業が大事なのです。

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これは実際の数字でもできます。

例えば

1/4÷☐=4/7

分数と割り算って非常にイメージしにくいですね。

この場合は生徒になんでもいいから割り切れる割り算を言ってもらいます。

例えば 15÷3=5

「☐の部分は3なので15と5で3を作るには?」

この質問で15÷5と答えは出るでしょう。

そこでさっきの問題の解き方は

1/4÷4/7と理解できます。

これは計算式のイメージを作っています。

 

私の反公式授業への答えはこのイメージを作る授業になります。

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2023年6月13日 (火)

夏期講習 新規生徒募集開始!!

夏期講習の新規生徒募集開始します。

第1クール(7/1~7/20)

2023

第2、第3クール

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受験生コースは高校受験の中学校3年生限定となります。

今年度の中学受験の小6生、大学受験の高校3年生は定員となっているため新規の募集はありません。

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個別ゼミWill鷺沼校は公立高校受験にで直近5年間で3名しか不合格者は出していません。

この夏で躍進したい子はぜひ個別セミWill鷺沼校にお電話ください。

 

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2023年6月 3日 (土)

屋久島大冒険!

行ってきました!屋久島。

そして晴れ男目黒の本領発揮!!

私たちが屋久島に行く前日は悪天候で飛行機が屋久島に着陸できなかったらしい。

私たちが屋久島を去る日は、空港を出るときに「天候不良でもしかしたら鹿児島空港に着陸できず、福岡空港まで行くかもしれない」とのアナウンス(無事鹿児島空港に着陸できました)

私たちが山中に入った2日間だけ晴れるという奇跡。ちなみに私たちが屋久島を去った翌日から台風です。笑。

 

今回はかなりハードな登山。そのために綿密な計画を練って、リハーサルを行って挑みました。

それでも想定外のことが結構起りました。

何より、リハーサルと違って、バスの最終時間というリミットがあったためプレッシャーも全然違いました。

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今回の経路です。合計22.8km累積標高差1432m登って、12時間くらい山中を歩きました。

これだけ聞くと「辛そう」しかないですよ。

しかし、そこは屋久島。見るもの全てが感動でした。

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右はおなじみ勝どき校の教室長相川先生。

これはam7:30に九州最高峰の宮之浦岳に登頂した時の写真。

私は身長が180cmあります。相川先生が如何に巨大かが分りますね

(嘘です。下が岩場で立っているところの高さが違います)

奥は雲海。雲の上に居ます。

淀川避難小屋をam4:00に出て3時間半で一番高い位置に。あとはドンドンくだるだけ。

そして大本命の縄文杉。am11:30に到着。

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デカい!貫禄が全然違う!これは死ぬまでに見ておくべきものですね。

ここからゴールまで8㎞。

その後はウィルソン株に入り、トロッコ道を永遠に歩き、もののけ姫のモデルとなった様々なポイントを見ながら永遠と歩く。

途中に野生の猿に出会ったり、湧水をろ過して飲んだり、絶対に日常では味わえない体験をしました。

そしてついにリミット16:10の30分前に白谷雲水峡に到着。

全てを出し切りました。

 

用意した食事のうち、カロリーメイト2本、ブラックサンダー1個が余り、それ以外はちょうどすべて使い切る。

エネルギー切れにも、脱水にもならずにゴールできたのはやはり「想定」を最悪のことが起ると仮定していたからだと思います。

これは受験にも、テストにも、人生にも言えると思います。

常に最悪を想定して準備する。

そして何より、私の体力・登山技術・性格を知り尽くしている相川先生とだったから成せたことかなって思います。

彼とはもう14年ほどの付き合いになります。もちろん私も彼を知り尽くしている。

これも受験に大事なこと。自分をよく理解してもらっている先生と戦うべきです。

私はずっと鷺沼校でみんなの横を一緒に歩くよ!

さて、私と相川先生の旅はこれからも続きます。次は南アルプスかな。

それではしばらくは、またお勉強ブログに戻ります。

 

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