物理強化の特効薬は作図と別解
作図に関してはもうこのブログでも何度も書いてますが、簡単な問題、必要としない問題でも書く。
それは難しい問題で作図して解くための練習です。
今日は有名進学校の中高一貫校私立の高2生に六方最密構造の問題を教えましたが、やはり作図はまだまだ出来てない。
ちなみに、問題は京都大学の過去問なんで難しいですよ~(笑)
おっと、悪い癖です。話がいきなり脱線しましたね。
今日は物理の話し。
高校1年生の物理基礎で役に立つ解説を、私の授業そのままで掲載します。参考にどうぞ。
問題
真上に9.8m/sで等速に上昇中の気球が地上から高さ14.7mの高さに達した時点で、気球から小球を静かに離した。
何秒後にこの小球は地面に達するか?
ちょっと見慣れない(受験の世界ではありきたりなんですけど)問題ですね。
まずは作図によって見慣れた形に変形します。
まずは気球はやめて、鉛直投げ上げ運動に直します。
上方に等速直線運動してるので、投げ上げの初速は9.8m/sとして
いきなり見慣れた問題に変わりましたね。
これも問題を解くうえで大事な「自分の知ってる形に置き換える」というテクです。
では、ここから3通りの解き方を。
まずは私がもっと好む形で行きます。
上向きの速度を正として考えますね。
①地上から14.7mを基準面(0m)と置いて
地面は-14.7mになるため
-14.7=9.8t-1/2×9.8t²
49t²-98t-147=0
t²-2t-3=0
(t-3)(t+1)=0
t=3、-1
t≧0なので
t=3 A 3秒後
②最高点で速さが一度0になるのでそこから自由落下すると考えて
最高点に達する時間t₁は
0=9.8-9.8t₁
9.8(1-t₁)=0
t₁=1
最高点までは1秒で到達。
最高点の高さは
h=9.8×1-1/2×9.8×1²=4.9
最高点は4.9m
この地点から自由落下するので4.9+14.7=19.6m
地上に到達する時間t₂は
19.6=1/2×9.8(t₂)²
(t₂)²=4
t₂=±2
t₂≧0より
t₂=2
投げ上げてから地面に達するまでが
1+2=3 A 3秒後
③鉛直投げおろしで考える
投げ上げた際は、元の位置に戻ってくると、投げ上げの初速と同じ速さで下向きになるので
下向きに9.8m/sで14.7mを投げ下ろした時に地上に達した時間をt₃とすると
14.7=9.8t₃+1/2×9.8(t₃)²
49(t₃)²+98t₃-147=0
(t₃)²+2t₃-3=0
(t₃+3)(t₃-1)=0
t₃=-3、1
t₃≧0より
t₃=1
また、投げ上げた際に元の位置に戻るまでの時間は
0=9.8t₄-1/2×9.8(t₄)²
(t₄)²-2t₄=0
t₄(t₄-2)=0
t₄=0、2
したがってt₄=2
投げ上げてから地面に達するまでの時間は
1+2=3 A 3秒後
これで3パターン。
練習では全部やるんです。
本番は①推奨ですが…自分が理解しやすい解き方で。
さらにここでこの問題を応用
問2 気球に乗ってる人から見た場合の小球が地面に到達するときの速さを求めよ。
はい物理の大好物「相対速度」
単純に、地上からの速さを求めた後に、気球の速さを考えればOKです。
考え方は①のやり方で行きます。
-14.7mでの速さは
v=9.8-1/2×9.8×3
=-4.9
つまり下向きに4.9m/s
気球は上向きに9.8m/s
気球から見た小球の速さは4.9+9.8=14.7
A 14.7m/s
ちなみにここでも別解
小球が地面に達する3秒後の状態を考えます。
気球は9.8×3=29.4m上昇してます。
つまり地上までは14.7+29.4=44.1mの高さに居ます。
気球に乗っている人が止まっていると仮定した場合、小球は44.1mの高さから3秒で地面に達したことになるため
44.1÷3=14.7
A 14.7m/s
こうやってたくさん別解を作っていくと、公式マンから脱することができます。
これで大学入試も定期テストの怖くない。
これこそ物理強化の特効薬です。
| 固定リンク
最近のコメント