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2023年4月

2023年4月29日 (土)

スケールダウン数学

なぜ小学生の問題は簡単で高校生の問題は難しいのでしょう?

当たり前の様な質問ですが、この本質的な答えにたどり着かないと数学の力は向上しません。

この質問を生徒にすると、大体の子が「ベクトルとか三角関数とか難しい単元が増える」と答えます。

じゃあ、なんでベクトルや三角関数は難しいのか?

なんか禅問答みたいになってきましたね。笑。

 

それは「イメージしにくい」からです。

小学生の算数は簡単に言えば数直線上を右に進むか左に進むかの1次的な動きしかしないからイメージがしやすいのです。

 

私が教える数学は、このイメージをすることによって問題に取り掛かるきっかけを作るというもの=「スケールダウン数学」なのです。

 

では具体的に話をしていきましょう。

≪防衛大学の過去問≫

1~nまで(n≧4)までの整数を書いたn枚のカードがある。

このカードのそれぞれにA・B・C・Dのうち一つを押すことにする。

問)使わないスタンプが2つになる押し方は何通りあるか。

 

さて、この問題で生徒が分らなくなった場合

多くの個別指導塾では解説を始めるか、ヒントを与えるかをします。

しかし、私の場合はスケールダウン数学です。

「nを具体化するよ。4以上で好きな数字にしてみよう」

これで大体の子は5とか10とか選びますね。

では簡単な数なので5でやってみましょう。

1~5の5枚のカードに2種類のスタンプを使わないでスタンプを押す。

ここでも具体化。

CとDを使わないとして

A・Bスタンプをどちらかを1~5のカードに押していくので

2⁵

全てAまたは全てBはダメなので(使わないのが3種になる)2を引く

2⁵-2

これでC・Dを使わない場合は2⁵-2通りとなりましたね。

使わない2種類の組は₄C₂=6通り

∴6×(2⁵-2)

 

ここで勝手に置いていた5→nに戻すと

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nだから解けないなら、5で考える。

たとえいきなり答えにたどり着かなくても、これで問題の概要がイメージできます。

さて、数学を伸ばしたい子、数学が苦手な子はぜひウィルの無料体験を受けてみてください。

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2023年4月25日 (火)

第1回塾内テスト

5/13(土)に第1回塾内テストがあります。

「何の準備もしないで受けるテスト」ほど悪いものはありません。

たまに、「川崎診断テストは成績に入らないから勉強していかなくていい?」と質問されますが

「ダメに決まっているだろ」と私は答えます。

 

もちろん「点数を取りに行くテスト」とは性質は変わります。

中学校や高校の定期テストは何が何でも点数を取りに行きます。

 

少し脱線しますが、高校1年生!5月のテストで人生が決まるぞ!

そのくらい高校1年生の最初のテストは重たいです。

鷺沼校には中学生から通塾してくれて、そのまま高校生でも通塾してくれる生徒が6名います。

この6名に言っているのが、「1位を取れ」です。

圧倒的にできる子は同じ高校にはいないのだから、負けるとすると努力の差。

「自分はぎりぎり合格だから」とか思う子もいるかもしれませんが、高校受験は全員ぎりぎりの学校を受けてます。

全員条件は同じ。

今からでも遅くありません。この春に高校に進学した生徒さんで「高校生はいつから塾に行けばいいんだろう」って考えてる方はぜひ個別ゼミWill鷺沼校にお問合せ下さい。

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話しを戻して…

じゃあ、成績に加味されないテストの受け方ってどうやるの?

それは2つの事を大事にして受けます。

1つ目は準備を大事にすること。

これは「ヤマを張る」のと違います。

ヤマを張ってそれが出た場合、逆に危険です。だってそれは自らの実力ではないのだから。

必ず次のテストで偏差値は下がります。

2つ目はテスト後の検証を大事にすることです。

やりっぱなしのテストほど時間の無駄はありません。

鷺沼校では、塾内テストの後必ずリ・テストという同じテストを受けなす作業を行います。

 

準備で「今回の課題を明確にし、何を努力したかを明確にして」検証で「その努力が正しかったのかを考える」ことが成績上昇への重要なプロセスになります。

準備をせずに成績が上昇した子は、何が良かったかわかりません。

次のテストでどんな努力をすればいいかわかりません。

もしかしたら算数で得意な単元が出ただけだったり、国語の文章との相性がよかっただけかもしれません。

準備をして成績が伸びなかった子は、「努力の仕方が間違っていた」事が分ります。

それは量なのか、方法なのか、その点が明確になります。

そして行動を変えることができます。

実はこのプロセスは、勉強以外にも活きてきます。

人は失敗するし、上手くいかないことだらけです。

そんなときにこのプロセスが役に立ちます。

私の教室の生徒の成績の一例を載せます。

この子はお預かりして3年目の生徒です。

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着実に勉強のやり方が身についてきた証拠です。

 

みなさんも、「準備と検証」を心がけてください。

高校生の模試も同じことが言えますよ。

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2023年4月20日 (木)

教材は手段であって目的ではない

この春もたくさんの新規入会をして頂きありがとうございます。

やはり、新規入会の子で思う事は

「勉強=教材を解く」

になっている子が多いという事です。

 

教材はあくまで学習の手段であって、目的は「学力向上」です。

漫然と解いたり、悪い時方をすると、正解していても学力は伸びません。

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具体的に「正解しているのに悪い勉強方法」とはどういうものかと言いますと

例えば

 

問 ☐に当てはまる数字を答えなさい

☐×8=72

☐×6=72

≪生徒の思考≫

8×9で72!

6×9=54 60×10=60 60×11=66 60×12=72!

 

これをやるから方程式が出来ない。

 

では正しい勉強方法は

☐=72÷8=9

☐=72÷6=12

 

大差ないと思いますよね?

 

しかし中学校にあがって方程式で

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この問題解けない子、結構いるんですよ。

先ほどの後者の解き方ができる子は、間違いなくこの方程式は解けます。

こういう訓練の積み重ねが差になります。

 

今回はあえて簡単な例で書きましたが、高校生の勉強方法も同じです。

悪い勉強=「答えが出ればいい」

をやっていたら、初見問題、思考力問題は絶対に解けません。

 

次回は「ストレス下での学習のすすめ」を書こうと思います。

もちろん親御さんのプレッシャーによるストレスで学習させるという話ではないです。笑。

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2023年4月17日 (月)

点滴穿石

『点滴穿石』私の大好きな言葉です。

どんなに小さな力でも、長い時間をかければ成就する。

『継続は力なり』と似た言葉ですね。

 

コロナ禍になってから、私は運動不足対策で毎日ジムで泳いでいます。

泳いでから教室に来ます。

これを2年続けてついにゴーグルのゴムが切れました。

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そこそこ良いゴーグル使ってるのでそう簡単には切れないんですよ。

これで私の夢が叶うはず(それはミサンガ…)

 

生徒たちにも勉強道具が壊れるくらい頑張って欲しいな。

私が教えるのは、「とにかく続けること」ですね。

私はそれはどんなに素晴らしい学習メソッドより大事な事だと確信してます。

毎日少しずつで良いんです。

水滴が石に穴をあけるように、きっと困難な受験も乗り越えられるはずです。

私は誰よりも忍耐強いです。根気よく教えますよ。根気勝負なら生徒に絶対根負けしない。

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2023年4月12日 (水)

どの公式を使うの?

昨日高校2年生の数学の授業をしていました。

その子、超優秀で「宿題は出来てるんだけど、結構適当に公式使っちゃった」

と自己申告。そりゃいい成績とるわけだわ。

こういう子はいいのですが、適当に公式を使て正解したことを「できた!」と思う子は危険ですね。

で、その子からの質問が「どの場合にどの公式を使えばいいですか?」というものでした。

実はこの子、私の授業を受け始めて3回目。

私の返答に少し困惑してましたが、授業後に納得してくれてよかった。

私の返答がどうだったかというと

「公式を使わなければ、どの公式を使うかわかるようになるよ」です。

禅問答みたいですね。笑。

実はそんなことは無いんです。本当に公式を使わなければ、どの公式を使うかわかるんです。

では実際の授業解説を書きます。

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問題 半径√10で中心が(0,0)の円に点P(5,5)から引いた接線の式を求めなさい。

まずは作図。

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赤い線を求めるのが問題。

接点を(X₁、Y₁)として

「円の接線を見たら中心を通る垂線を引く」

これは数学における脊髄反射にしましょう。

ということで緑の線は引けました。

緑の線は(0、0)を通るから比例のグラフ。

接点(X₁、Y₁)を通るのでy=(Y₁/X₁)X

注)本当は傾きに( )は要りませんが、見難いのでつけました。

 

緑の線と赤い線は垂直に交わるので、赤い線の傾きは-X₁/Y₁

赤い直線の式はy=(-X₁/Y₁)x+b…①

この直線が(X₁、Y₁)を通るので、代入して

Y₁=(-X₁/Y₁)X₁+b

b=Y₁-(-X₁/Y₁)X₁

 ={(Y₁)²+(X₁)²}/Y₁

三平方の定理より(Y₁)²+(X₁)²=10

したがってb=10/Y₁

これを①式に代入して

y=(-X₁/Y₁)X+10/Y₁

両辺にY₁をかけると

yY₁=-xX₁+10

xX₁+yY₁=10…②

この直線は(5,5)を通るので

5X₁+5Y₁=10

X₁=2-Y₁…③

また(X1、Y₁)は円上の点なので

(X₁)²+(Y₁)²=10…④

③④を連立すると

(2-Y₁)²+(Y₁)²=10

2(Y₁)²-4(Y₁)-6=0

(Y₁)²-2(Y₁)-3=0

(Y₁-3)(Y₁+1)=0

Y1=3、-1

これを③式に代入して対応するX₁を求めます。

したがって接点(X₁、Y₁)は(3、-1)と(-1、3)

この点を②式に代入して

3x-y=10

-x+3Y=10

これで終了です。

 

優秀な子はお気づきでしょう!

赤字で書いた部分が公式x₁X+y₁y=r²の公式の導き方になっています。

つまり、公式を知っている子は赤い部分を省略できます。

言い換えれば、公式を使わずにずっとこの解き方で練習している子は、いつか気が付くことですが

「結局いつもx₁x+y₁y=r²になるから、ここは公式化してしまおう」という事です。

 

こうして、公式を使わないことによって、どの公式を使えばいいかが分るようになります。

勉強のアプローチが真逆なんですよ。

公式を使うことによって問題を解くのではなく

問題を解いている時にルールに気が付いてそこを公式化する

 

この違いに気が付かない限りは「先生、どの公式使えばいいかわからない」の状態はずっと続きます。

単元が分らない模試や大学入試では、さらに「どの公式を使えばいいかわかりません」

だからこそ、あえて公式を使わない練習が必要なのです。

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2023年4月11日 (火)

挑戦が良い循環を生む!

個別ゼミWill鷺沼校は英語検定・漢字検定・数学検定の準会場となっています。

様々なリスクから、外部生の受け付けはしておりません。

検定の準会場って結構手間なんです。

しかし、その手間をかけても、生徒に挑戦させたいので、個別ゼミWill鷺沼校は検定準会場校を維持し続けています。

検定と聞くと高校受験の内申加点とか、大学受験の推薦条件を考える人が多いかもしれません。

しかし、そんな短絡的なものとして検定を見るのはもったいないですね。

特にテストが少ない小学生の学力の定点観測、そして「目標をもってそれを乗り越える成功体験」には検定は最高のツールなのです。

個別ゼミWill鷺沼校では親御さんに1つだけ検定を受ける上で協力をしてもらっていることがあります。

それは「合格パーティー」です。笑。

馬鹿らしいかもしれませんが、これって結構効果ありますよ。

「頑張る」→「できる」→「褒められる」

この正の循環を見える形にすることは、生徒の学力向上にとって最も大事です。

「本当に頑張ったからこそ、褒められると嬉しい。」

これをなるたけ早い段階で理解させたいのです。

これを覚えると、勉強の質が変わります。勉強の目的が自己の鍛錬に変わってきます。

受動的な「みんなやってるから」や「親がやれっているから」勉強するから「自分の成長を楽しむ」ために勉強するようになります。

 

では今回は鷺沼校の数学検定の結果を掲載します。

なんと!全員合格!!

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次は英検。こちらも全員合格目指して、しっかり指導にあたっていきます。

 

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2023年4月10日 (月)

有馬中ってテストが難しいの??

入学式も終わり、いよいよ新中学校1年生は学校が始まりましたね。

親御さんは様々な不安を抱えていると思います。

私の元にくる質問では「有馬中のテストって難しいのですか?」というのが最も多いです。

うちの生徒の親御さんには直接お答えしているのですが、今日はこのブログにも書いてみようと思います。

 

先に単刀直入に答えます。

「そんなことはありません」

 

特に安心していただきたいのは今年の中学校1年生の先生の作る定期テストは質が良いはずです。

根拠としては昨年度の中学校3年生のテストの質が良かったからです。

大抵先生は学年と共に持ち上がるので、昨年度3年生の先生は、今年度の1年生の先生になるはずです。

 

ではせっかくなので前期中間テストの2022年度の問題を解説してみましょう。

問12(思考判断表現)

太朗さんは高層エレベーターに興味を持ち、あるビルの2種類のエレベーターについて調べた。

エレベーターAは16階から最上階まで180mを30秒で移動し、エレベーターBは16階から1回まで80mを20秒で移動することが分かった。

そこで太朗さんは16階を基準(0m)にし、16階を同時に出発してからのx秒後の基準からの高さをymとしてエレベーターA,Bのそれぞれのxとyの関係をグラフに表すことにした。

エレベーターA,Bが一定の速さで移動するものとすると、yはⅹに比例するのでエレベーターAはグラフの点0(0,0)と点P(30、180)、エレベーターBは点0(0,0)と点Q(20、-80)をそれぞれ直線で結んで次のグラフと作った。

太朗さんが作ったグラフをもとに次の問に答えなさい

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問1 出発してから10秒後のエレベーターAの基準からの高さを求めなさい

問2 エレベータ―Bのグラフの式は、y=axで表すことができる。この時の比例定数aを求めよ

問3 エレベーターA,Bが同時に出発しました。出発してからエレベーターAとエレベーターBは10秒間で何m離れるか。

 

この問題のいいところは、あえて1次関数の問題を使い、「基準の高さ」を用いる事によって比例の問題に変えている部分です。

問題文が長く、しっかり読まないと解けません。2023年度大学入試共通試験の数学ⅠAに似た性質の問題が出題されています。

共通試験の類似問題を1年前にすでに作問していたということは相当優秀ですね。新教育大綱をしっかりと理解していないと作問できないテストです。

【解説】

問題自体はじつは結構易しい。文章に負けなかった子たちは、満点取れるでしょう。

問1 グラフを読んで答えを求めます。10秒の時のエレベーターAのグラフの値は60mです。

問2 y=axにx=20、y=-80を代入して、a=-4

問3 10秒後のエレベーターBの位置は-40mなので問1より60-(-40)=100m

 

もう一工夫すると問1を基準からではなく、地上からにしたら面白かったかもしれません。

近日2023年度も掲載しますね。

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