AI先生ってどうなの?
昨今CMでも話題のAI先生。
これってどうなの??
私は私なりの答えを得ています。
AIが世に出始めた頃に私も「自分の職業が20年後も人がやっているのかAIに取って代わられるのか」
と様々な角度からAI先生の誕生に対して考えました。
AI先生が我々生身の先生に取って代わる可能性が大きいのならば、もちろん職業を変えようと思っての事です。
そこでたどり着いた答えが、AI先生には私の代わりは不可能であるという事です。
今日はその根拠を述べていきたいと思います。
根拠1
大学共同利用機関法人情報システム研究機構が行なってきた、「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトでIAを使って模試(当時はセンター試験の進研模試+代ゼミ東大入試プレテスト)を受験し合格偏差値届くかというプロジェクトの結果です。
詳しくはプロジェクトを率いた新井紀子さんの著書『AIに負けない子供を育てる』を是非読んでみてください。
このプロジェクトで「AIでは東大に合格できる見込みはない」と結論付けられました。
そもそも自力で合格できないのに、指導なんてできるわけがないんですよ。
根拠2
文部科学省が掲げる新教育大綱。
これは簡単に言えば「AIに出来ない思考力を学ぼう」というものです。
従来の入試は「どれだけ覚えているか」が合否を分けましたが、今後は「どうやってそれを使うのか」が求められる時代になります。
AIに出来ない事を学力の定義にしようと文科省が言っているのに、その指導をAIがやるってのは無理がありますよね。
根拠3
Google翻訳の限界からAI先生の限界を推測。
AIを使った翻訳、Google翻訳。これは今も世界中で使われて、どんどんAIが学習して進化してます。
確かに使い勝手は相当良くなりました。
しかし、上手く使うためには「日本語を正しく入力すること」、「変換する外国語の一定の理解がある事」が求められます。
わざとAIの弱点を突いてみましたが、この翻訳を見てみてください。
わざと「訪ねる」を平仮名の「たずねる」にしました。
これは日本人ならば誰もが文脈から、「彼に会いに行って」という趣旨の連絡だと思うでしょう。
しかしAIはこう判断します。
Please ask him
「彼に聞いてください」という趣旨に変わってしまいました。
AIは同音異義語の対応ができません。
思考が出来ないため、最も多く使われている「たずねる」の意味「ask」を選択しています。
普通に考えたら「たずねる」の前の助詞が「を」ならば「聞く」という変換はあり得ないのですが「助詞」もまたAIの弱点の一つですね。
また、これも意図的に行ったのですが日本語文を「たずねてみみてください」とミスをしました。
AIは入力ミスを自動的に最適化して検索します。これでは論述の採点は無理ですよね。
この3つの根拠から、私はAI先生とはどんなものか推測しました。
AI先生とはミスに対して「データとして蓄積した数多くの間違いのパターンから、即座に最適の克服方法を導き出す先生」
良さそうに聞こえますね。
しかい克服方法に当てはまる子はいいのですが、それに当てはまらない子はどうしましょう?
平均より極端に頭のいい子や、平均の指導ではついていけない子は対応不可能ですよね。
つまりAI先生の守備範囲は生徒の約50%程度であり、且つ思考力を鍛えるような学習プログラムは作れない。
超優秀な自習監督ですね。
しかしながら、自習監督として最も大事な要素が欠けてしまいます。
それは、「やらせること」です。
一番難しいのは「子供たちに熱を入れること」なんですよね。
AIに何を言われてもやる気になんてならないです。
結局は生の人間の実際の体験談や、先生として「君にはこうなる才能がある、こうなって欲しい」という情熱が子供たちを動かします。
以上が私のAI先生ってどうなのっていう問いへの答えになります。
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