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2023年2月 7日 (火)

公式はショートカット

たびたびこのブログで書いています「公式は問題を解くために絶対に必要なものではない」

そこそこ誤解を生むのですが、公式を使わないのではないのです。

公式の仕組みを理解するために、公式を使わないで解く訓練をするのです。

そうすると、思考力が格段に伸びます。

 

今日は余弦定理を使って説明をしますね。

そもそも余弦定理って何をしてるかわかってない子が多数ですよね。

何となく、「辺の長さを出す公式」的な。

 

では、問題はこれで行きましょう。

Hp124

BCを求めなさい。ただし余弦定理は使わない事。

下に解説書きますが、是非皆さんも挑んでみてください。

 

 

 

補助線を下の図の様に引きます。

なぜそう引くか。直角三角形があれば三平方の定理や特別な直角三角形の比が使えるからです。

ここまできたら中学生でも解けますね。

Hp125

三角形ABDは∠BAD=60°の直角三角形

したがってAD=3  BD=3√3

三角形CDBで三平方の定理より

BC²=(3√3)²+(3+10)²

  =196

BC=14

 

 

では余弦定理の解説

BC²=10²+6²-2×6×10×cos120°

  =100+36+60

  =196

BC²=14

補助線要らず。

つまり作図の訓練機会を逸する。

 

最後に余弦定理の仕組み。

実は最初の作図の式で作れます。

Hp126

∠BAD=180-θ

AD=AB・cos(180ーθ)

 =―AB・cosθ

BD=AB・sin(180-θ)

 =AB・sinθ

三平方の定理より

BC²=(AC-AB・cosθ)²+(AB・sinθ)²

  =AC²-2AB・AC・cosθ+AB²・cos²θ+AB²・sin²θ

  =AC²+AB²(sin²θ+cos²θ)―2AB・AC・cosθ

  =AC²+AB²-2AB・AC・cosθ

これで完成です。

 

つまり余弦定理って補助線で引いた三角形のそれぞれの長さを求める作業をショートカットして答えを出してるんです。

さて、これで余弦定理の仕組みが分りましたね。

今度余弦定理に出会ったら、意図して使わないで、作図で解いてみてください。

ちなみに数学検定準2級では、「余弦定理を使って」と条件を付けて途中計算を書かなくてはなりません。

こういう意図して「公式を使えますか」って言う問題もあるのでご注意を。

 

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