共通試験数学ⅠA ②
昨日に続き共通試験数学ⅠAの話しです。
今日は「思考力モドキ問題」大問2(2)バスケットボールのリング通過問題
この問題は物理で重力加速度まで加味しながら求めるもっともっと難しい問題がありますよね。
なんなら打ちだした電子が円運動しながら既定の範囲を通過する問題なんてこれの100倍難しい。
という事で、先日は脱公式の話しをしましたが、今日は単元横断です。
私は高校2年生の進路指導で「私立理系」選択の生徒に理科1科目絞りはさせません。
勉強ってどの教科にも反映するんですよ。
私は今回の発想とは逆に、物理で数学の放物線や微積を利用します
(これは大学で物理を習っていれば当たり前の事なんですが)
では、共通試験の話しに入りましょう。
みなさんはぜひ問題を片手に読んで下さい。
まずは15行に及ぶ仮定。あえて太字しか読みませんでした。
ちなみにその前にも7行に及ぶバスケットボールの軌道(読んでも意味のない)に関する文があります。
「シュートの高さ」の定義は理解。
では問題へ。
私が実際に解いた跡。とにかく計算もほとんどしてなくてもサクサクすすめましたね。
(1)は問題ないですね。
y=ax²+bx+cに2点(0.3)と(4.3)を代入。
式が2本できるから文字が2つ消える。
題意に従ってaだけ残せば簡単にできます。それを平方完成してキ~コまでクリア
(サ)は1ページを使った壮大な目くらまし。
ボールの軌道の放物線…つまりp<0がわかれば2-1/8pが2より大きくなることくらい即わかる。
実際の私の解いた跡。解いた?ってくらい p<0しか書いていない。笑。
つまり(サ)の解答は②
こんな事に問題用紙1ページ使ってくるとは。
そして一見最大の難所の(シ)~(チ)…ですがかなりイージー
点Dは(3.8 、3+√3/15)
この座標にビビって負ける子多数。笑。
しかしそのまま代入します。
実際の予備校が出す解答は見てないからわかりませんが、もっと美しい解があるかもしれない。
しかし、私なら間違いなく、「これで計算しよう」と生徒にいうでしょう。
私が生徒によく言う事は「美しい解法は思いつくのが難しい、誰でも思いつく解法は計算が面倒くさい」
数学を公式に頼り手軽に済ませてきた子たちは、この数字を代入することにさぞ抵抗感はあるでしょう。
せめてわかりやすいようにC₁をy=ax(x-4)+3に変形して代入。
3+√3/15=a・19/5・(-1/5)+3
√3/15=a・(-19/25)
a=√3/15・(-25/19)
=-5√3/57
これで(シ)~(ソ)クリア
次にタとチ
これも「え?」と思うかもしれませんが
y=ax²+4ax+3にx=2、a=-5√3/57を代入して√3=1.73を代入するだけ。
泥臭い計算の結果3.61となりますね。
問題文に√3=1.7320508になってるけど、有効数字ですよ。笑。
3.4より高く、差は0.21で…ここで仮定にボールの大きさを探しに行くと…0.2だから約1個分。
さて、思う事はこれは「思考問題なのか?」
単に不必要な言葉を並べ、不必要な式を求めさせ、面倒な計算をさせる。
学生特有の途中で汚い数字が出てきたら、「どこかでも違えている」と思い込む習性を突いた問題。
実際、無駄を排除したら、思考どころか、平方完成すら必要ないグラフに座標を代入していくだけの問題です。
最近痛感するのは、思考力が段々曲解しているということです。
思考力=国語力ではないはずですが、今回の問題は単なる国語力。
設問を長くして、受験生の気持ちを折りにきている。
その実、読むべきはたった数行であとは意味をなさない文章でした。
読解力なら国語で測ればいいんじゃないか?
思考力って私は
①仮定する力
②検証する力
だと思っています。
まあ、文句を言ってもしょうがない。
この手の問題をしっかりとクリアするうえでは、やはり過去問演習、類題演習では勝負できないですね。
脱公式数学が活きて来るんじゃないでしょうか。
| 固定リンク
最近のコメント