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2022年5月

2022年5月21日 (土)

定期テスト

2週間後から公立中のテストが始まります。

テスト前にどんな勉強をすればいいのでしょうか?

それは、私が指定した教材をひたすら解きなおします。

テスト範囲で出来ない問題が無くなれば80点~90点は取れるようになっています。

あ!今回から有馬中は100点満点制ではなくなります!なので成果は得点率で発表しますね。

話しが脱線しました。笑。

では私が指定した教材をひたすら解けばいい根拠を提示しましょう。

Hp101

Hp102

私が定期テストの度にやっているウィルで使っている教材と定期テストの問題の的中チェックです。

見ていただいた通り、9割は合致しているんです。

今回は有馬中の数学(中1と中3)を公開しました。

普段の勉強と、定期テスト対策は全く違う学習になります。

普段は、私がいつもここに書き続けている通りの「思考力を鍛える学習」です。

しかし、テスト対策はいわば受験対策。「傾向分析」と「弱点補強」

出る問題を知り、生徒の弱点を知り、どうやって目標点を取らせるかの授業になります。

さて、年度初めのテスト。ここで出来れば一気に気持ちも上昇気流!

皆さん頑張りましょう!!

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2022年5月19日 (木)

なぜ公式を使った学習はダメなのか

私は公式否定派です。

とはいえ使うことを必須とする問題や、逆に意図的に使い練習をさせる公式もあります。

意図的に使う練習をさせる公式の例では「面積計算に用いる定積分」の公式です。

ここの学習はどんな時も積分せずに解く方法を考える練習をしたほうが良いです。

加法定理もどんどん使います。

 

では、なんで公式を使うのが良くないのか?

それは「理論」が抜けるからです。

中1の子に(+5)+(-4)を解かせると5-4=1と解きます。

なんで+(-4)を-4にしたか聞くと、プラスとマイナスだからマイナスにしたと答えます。

これが数学が苦手な子の第一歩なんです。

 

理論が抜けると、問題文にある数字や図以外は何も浮かんできません。

結果として入試に弱い子になります。

 

私の指導は常に「入試」や「定期テスト」で起こることを想定し、そこで戦う(考える)方法を教えます。

簡単に言えば、入試では絶対に「この問題わからない」って状態になります。そこからどう戦うのかを教えます。

 

では今日も1題例を使って説明します。

Hp98

接弦定理を知ってる人は3秒で解けますね。

答えは40°です。

でじゃ、これを塾で解いて「おお!正解。ちゃんと公式覚えてたね」って終わって大丈夫?

絶対ダメです。

この問題で「何を学びたいか」「何を学ばせたいか」これが超重要!!

 

私の授業はこうなります。

目黒「正解。じゃあ、接弦定理を使わないで解いてみて」

生徒「え!?接弦定理で解く問題じゃないの?」

目黒「公式で解く問題なんて存在しません」

 

別に意地悪でやってるわけでもなければ、私の知識をひけらかしたいわけでもありません。

この問題で学ばせたいことが、接弦定理ではなく、円に関する問題が出た時の対処だからです。

問題の解き方はヒントをどう使うか

この問題の場合。接線ですね。

まずはこんな補助線を引くでしょう。

Hp99

この補助線を引ける感覚…これを鍛えたい。

あとは円といえば半径を使った二等辺三角形なのでこうなりますね。

Hp100

これで作図完了

初めのうちはOCも結んじゃうかもしれません。そうするとその後の円周角・中心角が見えにくくいなってしまいますが…

∠OAB=90-40=50

OA=OBより∠OBA=50

三角形OABの内角の和より∠AOB=180-(50+50)=80

弧ABの中心角が80°なので、弧ABの円周角である∠ACB=40°

 

こうやって解くと円の問題では

円周角・中心角・中心があれば二等辺三角形・接線があれば円の中心をとる垂線

ここまで頭を動かす練習になります。

さて、この手の問題を公式を使いこなすために公式で10問練習したこと、こうやって作図と円の性質を考えて10問練習した子で2年後(この単元は高校1年生)入試で勝つ子はどちらになるでしょうね。

 

 

 

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2022年5月16日 (月)

模試の心得

1年間の学力を測るうえで最も大事なものが模試です。

では模試を受ける上での重要なことを書いておきます

①自分の実力と模試のレベルを合わせる

偏差値というのは50から離れれば離れるほど密度が薄くなるため、その模試の平均点と比較して自分の得点が低すぎても、高すぎても正しい判断が出来なくなります。

例えば、多くの学校で採用されている模試(名前を出すとちょっと問題になるので控えます)は、超進学校では受けないため、その模試の偏差値で進学ガイドに載ってる大学の偏差値を照らし合わせて志望校を決めると大事故が起こります。

晶文社の受験案内の中学受験編をみるとよくわかります。合格基準偏差値が首都圏模試と四谷大塚の両方が載りますが、大体8~12くらい首都圏模試の方が高い数値になってますね。

受けたい学校に合わせて模試は受けるべきなんです。

 

②必ず目標を持って、準備をして受験する

模試は成果を測るために受けます。何もせずに受けてはいけません。

自分のテーマをもって受けましょう。どんなことでもいいです。

 

③模試を受けたら絶対にやり直しをする

これをおろそかにすると絶対に成績は伸びません。伸びないどころか、模試を受験した数時間が全く無駄な時間になります。

模試を受ける最大のメリットは、今の自分の弱点を見つけれることにあります。

それで、次の3か月の勉強方法が決まります。

だから必ず「見直しと解き直し」をしましょう。

やりっぱなしの模試ほど意味のないことはありません。

「何点だった」とか「何点の伸びた」とかよりも「このパターンが苦手だ」って事を把握することが大事です。

私の教室では「見直しと解き直し」では足りないと思い、同じテストを再度受験する「リテスト」を採用してます。

 

 

模試こそ自分をしっかり分析し、成長のきっかけをつかむ最大のチャンスです。

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2022年5月12日 (木)

単元横断型思考

数学が出来なくなる大きな原因に「問題を解くための公式が必要」と思い込むことがあります。

これでは大学入試で勝負ができません。

「この問題はどの公式で解くの?」

「答えを見たらわかるけど、どうやったらこの公式を使うことを思いつくの?」

なんて思ってる子は大体が「公式が問題を解くために必要」と思い込んでいます。

もちろん公式は便利です。

しかしながら、公式に囚われると、その単元から脱することができません。

そして結果として最近の入試の流行である「単元横断型」の問題で手も足も出なくなります。

では例を使って説明していきます。

 

Hp91

一見すると三角比、答えの形はベクトル。

おそらく高校生の80%はベクトルでアプローチをするでしょう。

ということで、まずはベクトルのアプローチ。

答えの形を含む公式は…

Hp92 …①

これで右辺をそれぞれ求めればクリア。

Hp93

 

cos∠BADは与えられてない!?

ベクトルから頭が離れない子はここでアウトですね。

ここで頭を切り替えれる子は、ベクトルから「cos∠BADを求める問題」を認識して三角比に移行します。

ちなみに半角の公式で求めますが、半角の公式を忘れてしまった場合「終わった…」となっているようではダメです。

目黒式では「加法定理のみ暗記→βをαに代えて2倍角の公式→変形して半角の公式」で教えています。

しかしそれさえ忘れた場合どうしましょう?ちょっと脱線するので、この点は後述します(注1)

Hp94

これでゴールですね。

この問題のコツは、①でしっかりとゴール手前の形を作っておいて、あとは部分部分をそれぞれの単元で求めていくことです。

 

では、この問題、この問題はベクトルでしか解けないのか?

簡単に言えばこの問題はADの長さを求めればいいので、AD=Xと置いて三角形ABDで余弦定理を用いればもっとシンプルに求めれますよね。

問われ方がベクトルだからベクトルで解くという思い込みが思考を狭めます。

こちらが三角比で解いた解法

Hp95

ちなみに連立せずに①だけで2次方程式を解くと2解出てきて、適当・不適当の判別をする羽目になるので、連立をすることを強くお勧めします。

 

では最後にこの問題でしかできない別解

「特殊な解法ほど簡単だけど汎用性は無い」これも数学の大事な考え方ですね。

別解がある時に人はつい簡単な方に飛びつきます。

しかし、それは汎用性がないから、よくない勉強ですよ。

(ちなみにダメな先生ほど美しい解を見つけた時にそれを自慢げに教えたくなり、それを勧めます。気をつけよう!)

この問題はBCの長さを求めた際にAB=BCの二等辺三角形であることに気が付けます

実はこれも相当大変です。ベクトルや三角比に頭が向いてると見落とします。

すでにBC=3と明記してますが、ここまで読んで下さった人も「あ!二等辺三角形!」って思わなかったでしょう。

訓練してない思考ってそんなもんなんです。

では、そこに気がつけば、高校1年生レベルでゴールイン。∠BAC=∠BCAなので

Hp96

そうとうあっさりですね。

 

(注1)最後に途中で書いた半角の公式はおろか、半角の公式の求め方や加法定理すら忘れている時の対処。

実は、まだ勝負できるんですよ。

Hp97

ということでまさかの角の二等分線の公式と三平方の定理で出せるんです。

角の2等分線が分らない時は…相似で角の二等分線の公式は求められますが、それくらい覚えてないと受験はやめましょう。笑。

ということで、一つの問題を題材に実はたくさん学べますね。

ここまでやって初めて1問吟味したことになります。

これが受験で戦える数学力を鍛える勉強なんです。

少しは「公式ありきの解き方」から解放されたでしょうか?

 

 

 

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