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2022年2月22日 (火)

2022年度神奈川県入試数学問3(エ)

今年の入試で最も難しかった問題ではないでしょうか。

一見ハードでしたが、ちゃんと求めたいものにフォーカスすれば解けますね。

ひとまず、出版社が出す前に、2通りの解き方を載せておきます。

これが個別ゼミWILL鷺沼校の数学指導の秘訣ですが、常に複数解答を持っておくこと。

私は「持たせる」指導を常に心がけています。

最終的に大学受験で勝つためには必須のスキルになります。

 

今日の解説は問題3(エ)

問題文は神奈川新聞さんのサイトでご覧ください

https://www.kanaloco.jp/news/social/article-822651.html

ではまず、この問題の急所から

この思考プロセスが最も大事なので覚えておいてください。

三角形BDFの面積を求める

三角形BDAの面積を1/3にする

三角形BDAの面積を求めるために直交する辺ADと辺BDを求める

辺AD=√13で辺BDは求める事が出来ないため、辺BDを求めるために辺ABを求める

辺ABを求めるために辺BCを求める

はい、これで思考プロセス終了。この問題は辺BCを求める問題なんです!

では、ここから分岐。

補助線を入れますが、セオリーとしては、すでにある辺の平行線を引きます。

では、これでどうでしょう。あとはひたすら三平方の定理を解きまくります。

6_20220222203701

AC//BGです。

ここでBC=Xとして

三角形BDGに注目して

BC=EG、ED=3より

DG=3-X GB=1なので三平方の定理より

DB²=(3-X)²+1²

  =9-6X+X²+1

  =X²-6X+10

 

三角形ABDに注目して、三平方の定理より

AB²=AD²+DB²

  =13+(X²-6X+10)

  =X²-6X+23

 

三角形ABCに注目して、三平方の定理より

AB²=AC²+CB²

  =9+X²

 

∴X²-6X+23=X²+9

 -6X=-14

  X=7/3

 

あとは思考プロセスを逆戻り

AB²=9+49/9=130/9

BD²=130/9-13=13/9

BD=√13/3

三角形ABDの面積は√13×√13/3÷2=13/6

三角形BDFの面積は13/6×1/3=13/18(答え)

 

 

そして別解

こちらはあまりいい解ではないです。

私は方べきの定理を知っているからこの形を作りましたが、はっきり言って作図根拠に欠ける。

5_20220222210101

図のように線を延長すると三角形AEDと三角形BDGは相似になります。

これってかなり無理やりですよね。汗

AE:ED=BG:GDより

2:3=X:1

X=2/3

∴CB =3-2/3=7/3

あとは同じ解き方です。

 

追記】

なぜ最初の解法の方が優れているのかの説明です。

別解に「作図の根拠がない」と書きましたが、私も色々やった結果できた図です。

根本には3つの辺の長さがわかっている三角形AEDと相似になり、かつ辺BDを含む三角形を探す過程でできました。

一方先にあげた解ですが、BC=Xと置いた瞬間から

①等式を作ってXを求める

②2つの直角三角形が共有する辺ABでそれぞれの三平方の定理から等式を作る

③DBをXを使って表す(AD=√13なので)

④三角形DFBは直角三角形ではないし相似の三角形も存在しない

この4点に於いて、BDを含む直角三角形を作る補助線を引くことが確定して、ここから2択で

「頂点Dから辺FBに垂線を引く」または「頂点Bから辺DFに垂線を引く」しかないのです。

そして「頂点Dから辺FBに補助線を引く」と三角形AEFとの相似は見えますが、辺EFと辺AFが長さ不明なため難しくなりそうな上、目当てのDBを含まない方の直角三角形なので、一旦優先は「頂点Bから辺DFに垂線を引く」方に決まる。

と論理立てて必然的にこの作図にたどり着くのです。

私は答えありきの解説はとても嫌いです。それは生徒の力にならない、場合によっては生徒の学習を「暗記」へ傾けてしまい、学力を低下させる。

そういった根拠から別解をあまり推奨してません。

ちなみに高校生であれば話は違ってきます。方べきの定理の証明を知っているため、即座にこの相似形を思いつくことができます。

 

 

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