別解のすゝめ
久しぶりに授業のホワイトボードの写真を載せます。
中3の公立高校入試対策数学です。
問題は2018年数学 大問3(ア)
教育委員会の発表によると、この問題の受験生の正答率は2%だったそうです。
数学の成績4が取れてれば、普通に解ける問題だとは思います。
ではまずは一般的な解き方。
平行線と比の問題は補助線が必要になる。鉄則として平行四辺形の辺に平行な線を内部にのみ引いていいと教えます。
では実際のホワイトボードです。
補助線FIさえ引いてしまえばあとはなんてことのない問題です。
しかし、私の考えですが、補助線FIを引く根拠がちょっと弱い。
GHを求めるのに必要な相似な三角形で⊿FGIを想像するのに、ちょっと無理があるのは
①⊿DAEと⊿DGHが相似でまだ使ってないヒントのDF:FV=2:1をどう使うか
②長方形ABCDの辺に平行な補助線を引く
この2点に於いて、根拠なくFIを引いて、結果論としてGIが出た時にGI+IDに気が付く。
だからこそ正答率2%だったのでしょう。
ではタイトルにもある別解…を載せる前に、なぜ別解を薦めるのか。
これは、私の指導哲学の一つ「問題を解くことをメインにせず、解く過程で学力を高める」という部分にあります。
あくまで問題は学力向上の手段であり、正解不正解は2の次なのです。
先生は生徒が正解した(間違えた)ことをきっかけに色々な指導ができます。
生徒ももちろん平時から別解学習をしていると、思考力が急激に伸びます。
ちなみに新指導要綱を考えると、この別解学習は大学入試にも相当な効果を発揮すると確信しています。
その辺は今年度の共通テストの総評後編で述べたいと思います。
ではもったいぶりましたが、別解を載せます。
私はぜひ高校生に見てほしい。
そして私の別解が自分の思ってたものと違う事を理解してほしい。
そうです。関数で解いてます。
なぜ関数で解いたかというと
①長方形だったので座標を当てやすい
②直交する直線がこの問題のキーになる
という事で直線EDをY=1/3X+1
直交する直線FGの傾きは-3になるため、F点(2,0)座標があればあっさり点Hも点Gも求められるわけです。
ここで唯一問題としては「グラフの直交条件」は公立中学校の教科書では教えないという事。
しかし、別にむずかしい知識ではないので私は中2時点で教えちゃいます。
これは塾の指導テクニック、特に私の様に大学受験指導まで行ってる先生だからの技です。
(マル秘テクを大公開しましたが、この程度は私の技術の末端なので出し惜しみしません。笑)
これで最初の解き方で弱かった根拠が、最初から「三平方の定理で長さを求めるからGとHの座標を求める」
この1点に向かって進む解答が完成しました。
ちなみにこの「平面図形の問題に座標を当てて関数化」は高校生でも大活躍。
過去の日本大学の入試問題(理系)でこの手法を使って生徒に、高校数学を使わず三平方と1次関数だけで解いて見せたことがあります。
解答が全てと思っている子供たち!
それは大きな間違いです。
ちなみに高校入試過去問をだしている「声の教育者」「東京学参」「新教育」の解説も正しいけどスマートではないものも多い
大学入試の赤本は正直??ってのもある。
青本は隙が無い。さすが駿台。
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