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2022年1月

2022年1月26日 (水)

大学入試共通試験 数学IA 考察①

難しすぎとの声が上がっている数学IA

実際どうだったのかやってみました。

各予備校や新聞の評価も見ながら私なりの考察です。

ちょっと長くなるので2回に分けて書きます(中学受験直前で時間が無いため、申し訳ありません)

 

まずは大問1

概ね評価は「やや難し」

私の感想ですが「超簡単」

ではなぜ生徒たちに難しいと思わせたのか。

それは、盲点を突かれたから。

対称式ですが、実はこれ前半は私立中なら中二範囲の学習です。

実際に私の教室に所属する中2のホープ!(森村学園中等部)に解かせたら完答しました。

流石私の教えが活きている(笑)

知識が増えて選択肢が増えると出来なくなるもんですね。だから私は生徒に「解き方」ではなく「数学」を教えます。

後半の命題の問題はイ―ジー過ぎるので書くまでもない。

以下は私の実際に解いた問題用紙。

正直ボールペンで解いてもいけると思うレベルで、実際にいけました。笑。

命題は真っ白でしょ。書くことないくらい簡単です。

Hp85

 

次に大問2

こちらも概ね「やや難しい」

私の感想は「何回同じことさせるんだよ。笑」です。

[1]はビックリしました。三角比の超基礎問題。

tanθ=y/x=0.2867(三角比の表より)

ここで実際の長さに戻すのに、xを10000倍、yを25000倍(計算上はxを4倍、yを1倍)

なのでy/4x=(y/x) × (1/4)

0.2867÷4…これ難しいのか??

 

[2]でやっと骨がありそうな問題…って思ったらまさかのa/sinA=2Rをひたすら使い続けるというただ長いだけの問題。

唯一の山場っぽいチ・ツ(範囲)も結局a/sinA=2Rで解くんかい!笑。

関数は今はやりの「単元横断」をしたいんでしょうけど、易しすぎてこれ必要だったかって思うレベル。

この問題の急所は早々にAB=X AC=14-2Xと置いてしまう事ですねそうすると(1)と全く同じ解き方になる。

ちなみにこれは私の指導を受けてる生徒ならすぐに「あ!」となる事なのですが…

私は常に「わからなくなった時にやること」を教えます。

その中の一つ、「わからなかったら具体的な数字で考えよう」

今回の問題は(1)が具体的な数値で、(2)が文字を使った式ですね。

そのままこの問題に当てはまります♪

ではこちらも私の実際に解いた解答用紙を載せます。解説を載せてるわけではないので、不必要な情報も書いてます。

注1)[1]は最初図解で変なミスをした跡はあります。これは不必要なものでした。

注2)[2]は最初勘違いして(1)で判明した二等辺三角形をそのまま使おうとした跡があります。これも不必要でした

Hp86

 

 

私の評価を世間の評価が食い違うのは、おそらく数学に対する考え方でしょう。

これまでのセンター試験の数学は「如何にたくさんのパターンを覚えるか」が鍵でした。

しかし、それはもはや数学ではないのです。

私は「覚える数学」を嫌い、「わからなくなった時の対処」を徹底的に指導しています。

その観点で考えると、出題範囲が多彩だとか、初登場問パターンが多かったとか、条件を元に作図するのが難しいとか、そういった事はあまり関係ないんですよね。

そして何より今回の問題点は生徒たちが「共通試験は結構易しい」という思い込みを持っていたことではないでしょうか?

易しい問題は多々ありました。もちろん解きにくい問題もあります。時間の事を考えると100点をるのは難易度が高いでしょう。

しかし、50点~60点取るのは結構楽です。

簡単なテストだと思うから、「あれ?」ってなった時に立て直せない。

最初から60点を狙いに行ってたら、「捨てる」事はたやすくできるから、もっとしっかり考えられた。

しかし、「数学IAは高得点をとらないと」って思いが引き起こした事故ではないでしょうか。

原因は「センター試験は簡単」と簡単に言い放つ学校の先生、目標点設定の際に数学で起こる事故を想定して生徒を送り出さなかった塾の先生にあったと思います。

 

では近日大問3以降について書きます。

 

 

 

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