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2020年10月

2020年10月14日 (水)

新指導要領の影響

さてじわじわと公立中学校の定期テストにも新指導要領の影響が出てきましたね。

宮崎中の前期期末テストを例に見ていきましょう。

まずは私が作っている生徒のテスト評価表

Hp58

この中の大問17です。

 

連立方程式の文章題の文章におかしなところがある事の指摘問題

【問題】

1本60円の鉛筆と1本100円のボールペンを合わせて8本買ったら代金の合計が660円でした

 

解は

「鉛筆が7/2本、ボールペンが9/2本で自然数にならないので」

 

こういう条件に関する整理問題は今後も増えるでしょう。

実際に大学入試の新方式の共通テストの試行試験でもこのような、解くことの技能ではなく条件を整理する問題が増えてます。

 

ちなみに出題する側も難しいですよね。

模範解答に「640円など。答えは沢山あります」と書かれていますがこれは解になり得ないですよね。

会話文が

Bさん「じゃあ解いてみるね。…あれ?」

Aさん「…本当だ!( ア )だからおかしい」

解いてみた結果は解が分数になることはあっても640円になることはないのです。

もし「解く」という言葉を「数え上げ」て解いたとしても(連立方程式を解いてみてとは言ってないため)

480円→520円→560円→600円→640円→680円→720円→760円→800円

答えを

「本当だ!(8本すべて鉛筆を買ったとき480円で、そこから買った鉛筆1本をボールペンに替えた時、合計金額は40円増える。合計金額は640円の次は680円で660円にはならない)だからおかしい!」

の様に①単調増加である事②640円の次が680円であることを述べねば正解にはなりません。

 

数値の間違いを指摘する問題だったなら640円や合わせて7本も答えになるでしょうけど。

作る方も条件を整理しないとうまくいかない上、答えが一つではないので、学校の先生も大変です。

 

ちなみに模範解答は「買った鉛筆が7/2本、ボールペンが9/2本となり、0以上の整数ではない」

になっていますが、これは誤りです。

60円の鉛筆と100円のボールペンを合わせて8本買ったと言ってるので、この時点で0本は除外されているはずなんです。

「片方が0」だと合わせて8本は買っていないのです。少なくとも1本買わないとこの表現はできません。

つまり、この問題にどちらかが0という解が除外されているため正確な答えは

「買った鉛筆が7/2本、ボールペンが9/2本で自然数ではないため」なんですよ。

「0以上の整数ではないため」だと0でも良いという事なので。

新たな大学入試の方式ではこのような「日本語の表現」を正確にとらえる事も求められてきます。

学校の先生でさえ誤答を書いてしまうので、どれだけ大変かご理解いただけたと思います。

 

 

 

 

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2020年10月10日 (土)

森村学園 定期テスト対策

森村学園の中1の社会…面白いですね。

ただ、相当な知識量があってはじめて面白い。

何やってるかわからない子は、事前の学習不足です。

 

そしてテスト対策。

どんな問題集でも対応できない。

無いなら作るが目黒式。笑。

 

Hp57

作っていて楽しい対策プリントでした。

森村の子たちは来週は教室で超自習!ですよ♪

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2020年10月 8日 (木)

「わかる」までの手段と時間

小4の息子が一生懸命youtubeで「腐葉土」の作り方を見ていたと妻から聞きました。

今息子は「町内清掃」にハマっていて(笑)落ち葉を燃やさずに土に還す方法を考えて、腐葉土にたどり着いたようです。

落ち葉を燃やすと二酸化炭素が出るか土にしたいそうです。

なかなかいい線にたどり着いてるなぁと感心しつつ、炭素循環に関して今度教えてあげねばなとも思っております。

 

気になったのはその調べ方です。

youtubeで調べるとすぐに答えにたどり着くんですが、本来調べる過程において得る「関連性のある知識」を得ることが出来なくなるのです。

例えば、腐葉土は厳密に言えば土では無い事(そもそも土の定義って…長くなるのでやめておきます。笑)

せめて「葉が腐った土」という熟語から考え、「腐葉土の作り方」ではなく「葉の腐らせ方」へアプローチをかけてほしかった。

 

また動画だとやり方を映像で捉えれます。

これ程わかりやすいものは無いのですが、やはり「あれこれ」悩む過程、工夫する過程が無くなります。

もちろん1回で成功します。

せめて、文章で「土に穴を掘って、落ち葉に水をかけて、糠や生ごみを混ぜる」くらいまでで留めて、そこからは自分でやってみるべきですね。

・穴の深さはどのくらいなのか

・水の量はどのくらいなのか

・糠や生ごみは葉の下に入れるのか、上に入れるのか、混ぜるのか

きっとその過程で失敗もあるでしょう。

エジソンは「失敗は成功の母」と言いました。

高校生の数学はまさに失敗の連続で、「こう解くんじゃないか」のアタックと「これじゃできない」のエラーを繰り返すことが大事です。

考える力ってそういうものだと思います。

 

インターネット、特に動画サイトの発展が子供たちの解へたどり着く速さを格段に速くします。

「考える力」を養う上で大きな弊害になると思っています。

 

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2020年10月 5日 (月)

教育の不整合

中学校3年生のみなさんはすでに令和3年度入試の範囲にかんしては理解してますよね。

私は最近大学入試対策(今年度から始まる共通テスト)対策をしていて、不安しか感じません。

大学入試は「何を覚えているか」→「どう使うか」に変化していきます。

実際に2017年と2018年実施の共通テストの試行試験にも色濃くそれは現れています。

特徴の一つに「偏差値と分散」の出題頻度が高い。

来年から始まる新指導要領(教科書改訂)でも今まで高校生で学習していたデータの整理の「箱ひげ図」「四分位範囲」は中学校の教育範囲にスライドし、数Bには新たに正規分布を利用した「区間推定及び仮説検定」が登場します。

このデータの扱い方に関するジャンルをどんどん中心に据えていこうというのが文部科学省の狙いです。

 

それでは私の最初の質問と本日のタイトルを思い出してください。

今年の神奈川県の公立高校入試にでまさかの標本調査がカットされます!!

現中学校三年生はもちろん新大学入試システムで受験になる学年です。

なんで高校受験と大学受験でこういった不整合が産まれてしまうのか…

 

ただ決まってしまったものは仕方ないです。

神奈川県の中学校三年生は高校受験終わったあと、三月に死ぬ気で「標本調査」をやりましょう。

今私立の学校説明会が始まり、私も足を運んでいますが、地域ごとの指導範囲問題もあり、中二範囲までしか出さない学校や、そもそも筆記試験をやらない学校まで今年は様々です。

難しい入試になりそうですね。

ウィル鷺沼校の生徒は安心してください!

私はすでに色々準備してますよ~♪

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