大学入試 共通試験
今年度の大学入試からセンター試験が廃止になり、共通試験になりますね。
すでにご存じかとは思いますが横浜国立大学がコロナ対策で個別試験を実施せず、共通試験のみで合否を決めることを発表しました。
その他の国立大学でも、個別試験を実施するにしても例年より足切のラインを2.0倍くらいの倍率まで引き上げて、個別試験受験者数を少なくするような処置は予想されます。
では本日は共通試験の話しです。
文部科学省が発表している共通試験のサンプル、そして2019年に全国の高校で行われた試行調査試験を全部解きました。
その感想は「さほど変化はない」でした。
しかし、実際に生徒に対して授業で取り扱ってわかったことですが、今の教育を受けている生徒にとって非常に難解である。
私自身は授業でも生徒に常に「数学は暗記・解き方ではなく論理」と言っているくらい、基本的にはその場で解き方を考えて解きます。
だから全然気にならなかったのですが、チャート式や過去問を解いて、その解答例を応用して解くタイプの学習をしている子は手も足も出ないですね。
出来ない生徒は「何をすればいいかわからない」と言います。
では、どういう学習を行なえばいいのか。
共通試験が試行調査試験と同じ系統の問題になるのであれば
①文章で指示されたことを正確に作図する訓練
この作図が出来れば、はっきり言ってこれまでのセンター試験に比較してもとても簡単なレベルなんです。
②偏差と分散の学習を実例を使って徹底的に行う。
数値の列挙ではなく、文章と表で出題されます。実社会で「どう使うか」=応用力を試される問題。
③演繹法的思考学習
私の授業の核ともいえる考え方なのですが、「一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論の方法」という考え方です。
小学生が苦手な「割る数と割られる数と商と余りの関」で説明しましょう。
割られる数=割る数×商+余り
これを「7÷3をしてみよう」と質問します。
「2あまり1」と答えが出たら次に「7を3と2と1を使った計算で表してみよう」と質問します。
すると3×2+1と導き出せます。
そこで「7=3×2+1→割られる数=割る数×商+1」
という形です。小3もできる余りのある割り算でまずは「普遍的前提」を作りそこから個別的な式を推論します。
これを高校生でも行います。
こう考えると新入試方式は「思考力」っていう文科省の意図は共通試験にしっかり反映されているってことですね。
この手の学習が苦手な子は総合型選抜(旧AO入試)や指定校推薦で合格を獲ってしまいましょう。
思考力を要するテストはかなり専門的な知識が作問者にも求められるため、しばらく普通の高校の定期試験には登場しないでしょう。
今まで通り学校指定の副教材をゴリゴリ解いていけば定期テストで点数は取れます。
大学進学を考えている子は高校1年生の冬までには一緒に受験を戦ってくれる塾を探しておくべきでしょうね。
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