ネット・ゲーム依存症対策条例
18歳未満のインターネットやゲームへの依存を防ぐことを目的にした条例が香川県で可決しました。
以前にブログで書きましたが、ゲーム依存症に関してはWHO(世界保健機関)ですでに国際疾病として正式に認定されています。
ゲームばかりやっているお子さんは、意志力が弱いのではなく、依存症という立派な病気なのです。
では、この依存症どうやったら直るのでしょうか?
依存症だから心療内科に通うべきか…
実はこの依存症の治療は心療内科より学習塾の方がたくさんの子供たちを治してきた実績があるのです。
ちなみに、私の今までの経験上ですが、小学生と中学生はこの状態になったら、中学校卒業するまでは根治しません。
なぜなら、中学生の世界はあまりに小さく、彼らが負担する社会の負荷はあまりに小さい。
その中で「自分」なるものを見つけ、行動することは難しいです。
時に「勉強を頑張ってる子」はいますが、その子は立派なのではなく、悟ったわけでもなく、ただ単に生まれもって「勉強が得意」だっただけです。
子供は「自分の得意なコト」を頑張る習性があります。
単にそれだけであって、いつこの依存症に襲われるかはわかりません。
井の中の蛙が大海を知った時…そっちの方が大変かもしれません。
したがって、その期間は対処療法しかありません。
対処療法のやり方??
そりゃ、無理やり勉強させる(勉強しないとならない環境を作る)ことしかないです。
あとは、指導者側の覚悟、親御さんの覚悟。
同じことで1000回以上叱る
昔はゲームを取り上げるといった強硬策もありましたが、今は携帯ゲームの時代。
じゃあ、携帯取り上げる?次に出てくるのは別のデバイスです。
今の教育は私立は先行して行っていますが、BYOD(Bring your own device )の時代。
学校の授業でデバイスを使う以上、 完全にゲームを断ち切るのは不可能でしょう。
なにより現代社会でデバイスの操作が未熟なことほど社会に出た時のハンデはないので、「隔離」の選択は大きな間違いです。
たとえその時、切り離せたとしても、彼らが親御さんの手を離れたらどうなるでしょうか。
「25歳で会社務め。出世思考もなく、与えられた業務だけこなし、1日の楽しみは仕事の後のネットゲーム」
こんな若者たくさんいますよ。
このゲーム依存症は根治すべきです。
そのためには中学、高校と変化する環境の中でしっかりと本当の意味での「楽しい」を理解させてあげ事が大事です。
「快楽とは刹那的・肉体的な快楽ではなく、魂が平静・平安であること」
古代ギリシアの哲学者エピクロスの言葉です。
功利主義者ジョン・スチュアート・ミルは
「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい」
と言っています。
哲学とは「人はどうすれば善く生きられるか」を考える学問です。
そこに私は答えがあると思っています。
今の子供たちは「頑張る」事は知っていても「一生懸命生きる」事を知りません。
そのことを、寄り添い、共に歩み、教えていくことがこの依存症の根治につながると考えます。
少なくとも私の生徒たちは、中学校で手放せなかったデバイスを徐々に便利な自分のパートナーとして支配するようになってきています。
県単位ではなく国も、特に教育現場も積極的に行動していく時期ではないでしょうか。
はっきり言って新型コロナよりはるかに感染力は強いし治せない病気です。
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