読解力の低下
12/4 リセマムの記事です。
経済協力開発機構(OECD)が2019年12月3日に発表した国際的な学習到達度調査「PISA2018」の結果。参加国の中で日本は「読解力」15位、「数学的リテラシー」6位、「科学的リテラシー」5位といずれも前回調査時より低下。
私は5年前ほどから教室のブログで読解力の低下を危惧し警鐘を鳴らしてきましたが、やはり結果として出てきましたね。
先日紹介した新井紀子さんの著書「『AIに負けない子供を育てる教育』でも書かれていますし、数年前に大学受験の国語科のTOP講師である出口先生の著書『子供の頭がグンとよくなる!国語の力』でも同様のことが書かれています。
ではなぜ国語力が低下しているののか。
多くの分析では「読書時間が減った」とあります。
しかし、私は新井さんや出口先生の本を読んだり、実際に自分で授業をしていて、「読書の時間が減った」事だけ読解力を低下させてるとは思えないのです。
私は子供たちの「イメージする力」が極端に低下していると考えています。
我々が子供のころに比べて今の世の中は「視覚情報」に溢れています。
下の写真は我々が子供のころに大流行したファイナルファンタジーⅣのキャラクターデザインと実際のゲームの画面です。
我々は子供の頃、右の画面でゲームを進めながらも左のイラストを頭の中でイメージして見ていました。
今のCG技術は凄いですよね~イラストとゲーム画面が全く同じという。
こういった日常的な遊びひとつとってもイメージを働かせる必要性が無くなってきているのです。
読書をすると良いと聞きますが、読書をすると何が良いのか明確に答えられる方は意外と少ないです。
「語彙力が増す」これは正解ですね。
文脈から言葉を理解していくため、語彙力は増していきます。
「活字になれる」…私的には微妙な解。
私の教育の考え方は「活字→イメージ」の変換にあるため、活字慣れの必要性はそこまで感じてはいないです。
100文字の短文を正しく理解できる最低限の活字慣れは必要ですが。
私は考える読書が読解力をつけるのに良い理由は「イメージ力」の養成だと思っています。
登場人物の容姿、声、舞台となっている街並み…こういった情報を頭で正確に再生できないと本はつまらないのです。
逆に本を楽しめる子はこのイメージする力があるのです。
私が数学の授業で最も多く言う言葉…それは「図にしてみよう」
その一言で生徒は答えまで辿りつきます。
イメージする訓練こそが、確かな読解力をつける近道であり、また読解力をつけることが、学力を向上させる近道でもあります。
今のまま「読解力軽視」で子供の教育を進めると大変な事になりますよ。
何回もここで書いてきましたが、中3の受験前だけ塾に通いトップ校に合格する子は100%国語の成績が飛び抜けて良い。
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