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2019年10月

2019年10月23日 (水)

算数の和訳

算数=公式

この構図がある限り、算数→数学はいつまでたっても得意になりません。

昨日小学生の授業で速さの問題を理解してない子がいました。

問題は「時速4kmで6km進んだ時にかかった時間を答えなさい」

 

この場合、多くの先生が「速さの公式」を再度確認して、「進んだ距離は?」「この時の速さは」とアシスト。

最後に「時間→分」の単位換算を教えて終了でしょう。

 

私はここに算数・数学が苦手な子を作ってしまう要因があると思っています。

そこでさっそく今月の講師たちとのミーティングの題材にこの話を使うべく準備を始めました。

 

では、この場合どうやって教えればよいのか。

私は一言この生徒に「時速4㎞はどういう意味なのかノートに書いてごらん」と言っただけです。

この生徒は自然と答えにたどり着きました。

公式を使わずに。なので、最後に公式に関して説明を付加。

 

さてこの生徒の中で起こったことの説明をすると

まず私の指示通り「算数の和訳」を実施

「1時間で4キロメートル進む」とノートに書いてました。

すると、今度は「残り2キロメートル」とメモをしました。

そして、これが4キロメートルの半分である事に気が付き1時間30分と解答。

 

このイメージが出てきたな大丈夫だと思います。

その後公式を教えて、「速さの問題で時間を求めるときは割り算になるから、これを“必ず×逆数”で計算して、“分母を60に通分”しよう」と教えました。

そこで、生徒はその計算で動く数字が何なのかを全て把握できます。

6÷4=3/2=1と1/2

「あ、1時間と1/2時間…30分」

1/2=30/60

「あ、分子が分になる」

 

こんな回りくどいことが必要なのかとお思いの方も多いでしょう。

おそらく指導者の大半は同じことを思ってるでしょう。

だから、いきなり公式や換算を教えます。

当たり前ですが、公式だけ教えることほど楽な事は無いし、子供たちもパズルのように公式に数を代入すればなんでかわからないけど答えが出るから楽です。しかし、公式だけ教えて「あとはこの公式使ってたくさん練習しておいて」なんて雑な事やってたら生徒の能力は伸びません。

高校数学を指導してる先生が小学生に指導する場合、どうしても4年後、5年後を見越して「思考力」を鍛える方向にシフトします。

なぜかというと、私たち高校生指導を行っている先生はみな「丸呑み数学」は必ず限界が来ることを知っているからです。

結局は「イメージする力」が求められます。

早い段階で「イメージ」が先行して数式が後から来る思考パターンを作りたいのです。

 

「イメージする力」を養うには数式、数値の和訳が一番でしょう。

その数字が何なのかわからないまま計算しちゃダメですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2019年10月 9日 (水)

高校生定期テスト

2期制の高校生の定期テストが始まります。

親御さんは不思議に思った事無いですか?

「うちの子、中学校の時より頑張ってない」

理由は2つ

①親御さんが「高校生なんだからもうあまり関与しないでおこう」と考えている

②中学校ほど内申点が重たくない

 

そしてこの2つの理由は大きな間違いです。

 

①に関しては、親御さんたちが高校生だった頃と今では子供たちの精神年齢が違いすぎる。

これは何度か私のブログで書いてきましたが、現代社会の子供たちは「ゲーム」「スマホ」で過ごす時間が多く、「人生について考える」=「哲学する」時間が圧倒的に少ないのです。中にはしっかりした子もいますが、我々の時代と比較して5歳は精神年齢が低い。

ここに気が付いている親御さんは結構いらっしゃるんですが、その原因が「親が子供に手を貸し過ぎる」と考えている方が多いと思います。

もちろん一定の精神年齢に到達したら「手を放す」ことは効果的ですが、前述のように現高校生が、昔の中学生並みの精神年齢にしか達してない。

そこで手を放すことはリスクが大きすぎますよね。絶対に自分を律することなんてできません。

 

②に関して、前述の精神年齢の低さがここにも表れてきます。

「高校進学できなくなるよ」って脅しの効いた中学校の内申と比較して、「推薦がもらえるようになる」というポジティブな理由…正確に言うと「やったらいい事はあるがやらなくてもマイナスにはならない」という理由の高校生内申。

精神的に幼い子たちはすぐに自分に利益のある情報ばかりを盲信する

「AO入試は内申点関係ないらしいよ」

「指定校推薦は行きたい学部が無い事もあるらしいから、あまり狙わないほうがいいらしいよ」

「内申点は一般入試は関係ないから1回くらい失敗しても大丈夫だよ」

「周りもみんな勉強してないって言うし大丈夫だよ」

そんなこと思ってる子はすぐ私の前に来なさい。全部論破してあげるから(笑)

口では頑張るという子もいるんですが、やっぱり頑張りきれないんですよね。

こういう時は、隣で無理やりやらせてくれるコーチが絶対に必要なんです。

あれこれ言う言い訳を正面からすべて聞いて全部否定して、その子出せる全力を引っ張り出してあげる。

 

 

私には今回の定期テストである目標があります。

それは所属している生徒(高校生は33名)全員にクラス順位10番以内

もちろんすでにクリアしてる子は20名以上います。

高校はみんな同じくらいの能力で入学してます。ただ、一度ついた差はどこかで無理をせねば広がる一方です。

この時期「学校祭」でみんな浮かれきってますから、一気に大逆転のチャンスです。

「この2週間頑張れなかったら、受験のための1年間は頑張れない。だから今回ダメならあきらめらめろ!」

キツイいい方にはなりますが、これに嘘は無いです。

真ん中くらいの順位で満足していいる甘ったれたお子さんにお困りの方は、是非私の元へ♪

 

 

 

 

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2019年10月 8日 (火)

私立高校無償化

2020年春から私立高校無償化制度が始まります。

これは現高校生(2020年春に高校2年生・3年生に進学する生徒)も対象です。

 

その影響が受験にどう影響するか。

Hp40

実質無償化の対象は世帯収入590万円未満。

このラインは結構な家庭でオーバーすると思われます。

転職サイトdudaによると日本の40代男性の平均年収は580万程度らしいので、共働きの家庭はほぼオーバーするのかなと。

無償化が先行した東京都の私立高校の倍率が急上昇した例はありません。

 

しかし、2020年春から国の支援が出るということで、余った予算を東京都が今度は年収590万~760万円の家庭対象に上限44万円の支援をするそうです。

東京都の試算では約5万人の生徒が実質無償化するということで、東京都在住の生徒は無償化対象者が一気に増える見込みです。

この制度の厄介なところは、東京都在住の生徒が神奈川県の私立に通っても無償化されるという部分です。

もちろん、神奈川在住の生徒が東京都の私立に通っても無償化はされません。

その煽りをもろに喰らうのが、神奈川県では東京都に隣接する横浜市と川崎市。

私の教室でも併願で受験する高校で人気なのは①多摩大目黒②朋優学院高等学校 ③駒澤大学高校④駒場学園

この学校すべてが東京都と神奈川県どちらからも通える位置にある学校なのです。

駒澤大学高校に関しては年を追うごとに併願以外での合格はでなくなってきています。

つまり、内申点が取れてない子は私立のチャレンジ受験が出来ず、結果として公立すら安全志向で勝負しないとならない状況なのではないでしょうか。

内申重視になると、どんどん学校の先生が絶対的になっていってしまう。

はやく公立中の成績評価の公平性の透明化を推し進めて欲しいものです。

私は子供の将来を決めれるほど学校の先生が人格者であると思えないのです。

 

もちろん、来年からは大学入試も変わります。

試験内容が変わるだけではありません。

受験生の受験スタイルも大きく変わるでしょう。推薦入試人気が高騰する時代になります。

推薦入試も平均評定があれば大丈夫って時代が終わります。

高大接続改革の一つに「学力を問わない推薦入試」の禁止を明記している以上、「小論+面接」型の入試はできなくなります。

抜け穴は…付属高校からの進学。

文科省はここにメスは入れないそうです。明治大学の付属校で明治大学に進学する際の制度は変わるかと質問したところ、現行のままとの解答でした。

 

さて、現在中学校1年生から高校2年生までの5年間の生徒たちは激動の受験世代になるでしょう。

どうんな変化にも対応できるように、早い段階片しっかりと準備をして、選択肢をたくさん持てるようにしましょうね。

 

 

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2019年10月 2日 (水)

大学推薦入試

大学推薦入試も佳境に入ってきましたね。

鷺沼校ではすでに公募で合格1名、指定校推薦の学内選抜突破が4名(うち1名は国立大なのでセンターは受験)

そして残り2名が公募推薦とAO入試に挑みます。

この対策がほんとに大変でした。

推薦入試を軽く考えてる生徒や、時には塾の先生もいますが、簡単にできるものではありません。

塾の先生は、対策授業を出来ないものは「できる」と言わないでくださいよ。最低限のモラルですよ。

 

では今日はまず推薦入試の受験スタイルに関して話をしましょう。

 

①プレゼン型

先に小論文を提出し、プレゼンテーションや質疑応答を行う入試

他の推薦の形に比べて準備にかかる時間が膨大なため、倍率は上がりにくいが、準備も大変。

【大学例】

東洋大学…課題曲を渡され観光プロモーションビデオのプレゼンを行う(実際に映像は作らない)

東海大学…先に小論文を提出してPowerPoint で作った資料の元プレゼンテーションを行う

 

②課題図書利型

課題図書が渡され、その内容に関して簡単な論述テストがある。

たいていは本のページ数が少なく、何度も読み返しておくことを前提とした形式。

 

③志願書+面接型

この場合多くは「出願資格」がある。実用英語技能検定など。

出願ハードルが圧倒的に低くなるので、倍率も上がりやすい。一般受験する予定の子がその大学に推薦でも出願するケースが多い。

 

 

この3タイプのうち③に関しては塾として「小論対策」ははっきり言って効果が薄いですね。

このタイプは合格出す予定の子の最終審査で「ちゃんと書けない子を落とす」試験であると考えるべきですね。

ここを「任せてください!」なんていう塾は絶対に信用しない方が良い!

できる事は「内申対策」と「技能検定スコア対策」であって、それは高校1年生から高校3年生の夏までの話し。

時々「小論文の誤字脱字・文脈をチェック」とかで授業を取る個別指導塾あるけど、今の時代「誤字脱字チェック」は自分で書いた文章をwordに入力しなおせばチェックできます。文がおかしくてもアンダーライン入りますよ。もちろん私はこんなことで授業料は頂かない。

ちなみに面接対策は…我に秘策有!これは企業秘密…というか私は企業内でも秘密にしてるんですが(笑)ヒントは「面接を実際に行うわけではない」という事です。勉強と同じで、いくらアウトプットしてもインプットされてる内容が薄ければ、どうにもなりません。

この方法で数年ずっと成功してるので、間違いないでしょう♪

 

①に関しては相当な経験値と対策する先生自身が相当数の読書をしてる事、そして時事と複数科目に於いて高校生の学習に精通していることが求められます。去年のプレゼン入試も合格させましたが、今年の子の仕上がりははっきり言って相当なレベルになりました。来春に合格体験記と共にご紹介できるはず…

 

②が一番私を悩ませます。

問題は「その本に書いてある事が正しいかどうか」という部分で、その内容に賛否がある事や間違っていることを、大学が理解したうえで課題図書に選んでいる可能性もあるからです。

今年私が一番困っている生徒ですが、課題図書の内容に「日本のリサイクル資源は品質が良く、海外のリサイクル資源需要にマッチし、国際的なリサイクル資源発生量と需要のバランスが取れている」と書かれています。

しかし、実際には2017年に中国が「海外ごみの輸入禁止と固形廃棄物輸入管理制度改革の実施計画」を発表し、タイ、マレーシアも廃プラの輸入制限を強化したほか、輸入禁止も検討している。

私が最近読んだ「プラスチックスープの海」でもやはりプラゴミは行き場を失っていると書かれています。

一般的な社会の状況と乖離するような内容の本なので、少々扱いに困ってます。

とりあえず、その生徒の対策は、一旦課題図書から外れて「リサイクル」という枠組みでの小論を書かせ始めてます。最終的に課題図書に戻りますが、はっきり言って難しい。

 

さて、来年は大学入試が変わります。

なので、今年は推薦の倍率は例年より高くなるでしょう。なぜなら落ちれない入試だから。

そして来年はもっと推薦の倍率は高くなるでしょう。

というのも技能検定は来年から一般入試で使います。そのため現高校2年生は高1の頃から訓練してきてます。

その結果、大学が設定する推薦の技能検定基準を突破してる子が格段に増えているからです。

つまり③型の倍率が跳ねます。

もちろん、「センター試験が変わって何が起こるかわからないから先に決めたい」って心理も働くでしょう。

 

現高校2年生に関しては11月以降は正直推薦では間に合わないでしょう。

高校受験を私の元でやった生徒や保護者様は知っていると思いますが、私は「受からない受験はしない」のでそれ以降で手の施しようがなければ、元塾生であっても入塾は断ります。

推薦受験検討の子は少なくとも11月に一度相談に来てください。

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