算数の和訳
算数=公式
この構図がある限り、算数→数学はいつまでたっても得意になりません。
昨日小学生の授業で速さの問題を理解してない子がいました。
問題は「時速4kmで6km進んだ時にかかった時間を答えなさい」
この場合、多くの先生が「速さの公式」を再度確認して、「進んだ距離は?」「この時の速さは」とアシスト。
最後に「時間→分」の単位換算を教えて終了でしょう。
私はここに算数・数学が苦手な子を作ってしまう要因があると思っています。
そこでさっそく今月の講師たちとのミーティングの題材にこの話を使うべく準備を始めました。
では、この場合どうやって教えればよいのか。
私は一言この生徒に「時速4㎞はどういう意味なのかノートに書いてごらん」と言っただけです。
この生徒は自然と答えにたどり着きました。
公式を使わずに。なので、最後に公式に関して説明を付加。
さてこの生徒の中で起こったことの説明をすると
まず私の指示通り「算数の和訳」を実施
「1時間で4キロメートル進む」とノートに書いてました。
すると、今度は「残り2キロメートル」とメモをしました。
そして、これが4キロメートルの半分である事に気が付き1時間30分と解答。
このイメージが出てきたな大丈夫だと思います。
その後公式を教えて、「速さの問題で時間を求めるときは割り算になるから、これを“必ず×逆数”で計算して、“分母を60に通分”しよう」と教えました。
そこで、生徒はその計算で動く数字が何なのかを全て把握できます。
6÷4=3/2=1と1/2
「あ、1時間と1/2時間…30分」
1/2=30/60
「あ、分子が分になる」
こんな回りくどいことが必要なのかとお思いの方も多いでしょう。
おそらく指導者の大半は同じことを思ってるでしょう。
だから、いきなり公式や換算を教えます。
当たり前ですが、公式だけ教えることほど楽な事は無いし、子供たちもパズルのように公式に数を代入すればなんでかわからないけど答えが出るから楽です。しかし、公式だけ教えて「あとはこの公式使ってたくさん練習しておいて」なんて雑な事やってたら生徒の能力は伸びません。
高校数学を指導してる先生が小学生に指導する場合、どうしても4年後、5年後を見越して「思考力」を鍛える方向にシフトします。
なぜかというと、私たち高校生指導を行っている先生はみな「丸呑み数学」は必ず限界が来ることを知っているからです。
結局は「イメージする力」が求められます。
早い段階で「イメージ」が先行して数式が後から来る思考パターンを作りたいのです。
「イメージする力」を養うには数式、数値の和訳が一番でしょう。
その数字が何なのかわからないまま計算しちゃダメですよね。
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