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2019年9月 3日 (火)

総合的な学習のすすめ

夏期講習中の高校3年生の日本史の授業の中の事でした。

『大宰府の長官の役職名を答えよ』

という問題で詰まった生徒に、私が出したヒントですが、「藤原伊周の通称と由来は?」

その子には古典も私が指導しているため、この問題をすぐにクリアできました。

ちなみに藤原伊周は古典『大鏡』で帥殿という通称で登場します。

藤原道長との権力闘争に敗れ、大宰府に左遷され、大宰府の長官である太宰帥の権官である太宰権帥(だざいのごんのそち)になったため、通称が帥殿となりました。

私の古典の授業は30%日本史、70%古典

折角古典をやるのに日本史のエッセンスを加えないなんてもったいないのです。

 

高校生はすぐに「選択教科を絞ろう」とします。

「受験校に必要ないから」「推薦を狙うから教科数を減らした方が良い」などの理由が多いですね。

しかし、学習というものは、他の教科と密接な関係があり、総合的なつながりがあるのです。

物理と数学のベクトル、化学の有機(アミド結合)と生物のアミノ酸(ペプチド結合)の様な直接的に指導範囲が被るもの以外にも他教科の学習が活きて来るものは沢山あります。

 

例えば「現代文と倫理」現代文を読むうえで倫理ほど役に立つものは無いですね。

倫理は「哲学」つまりは「考え方」の学習です。

説明文読解には必須の能力ですね。筆者は必ず「ある立場」に立って自分の主張を書きます。高校生対象の説明文では「反功利主義」なものが多いですね。

 

意外なところで「数学と国語」

国語でなかなか掴んでくれない感覚に「対偶証明法」があります。

逆が真でも命題が真とは限らない。

これって読解で結構使える考え方です。

全ての事柄が複雑化した現代において、その論説も二元論で語られることはまずありません。

なので、「~はなぜか理由を答えよ」に対して「…ではないから」は正しくないのです。

 

その他、世界史(中国史)と漢文なんかは露骨ですね。春秋と史記から中国史は作られているので、春秋と史記を理解しておけば両方に通じます。

私はこの辺は横山光輝の「史記」(マンガ)で全部読んじゃいましたが、それでも十分です。

 

かといって、こういった学習方法は受験該当学年ではやることは難しいでしょう。

今回は高校生向けの様な話になってますが、高校生ならばやっぱり1年生が大事な時期になります。

 

本来はこういった学習方法は実は小学生のころから心がけておくと、中学校に上がった時に学力が飛躍的に伸びます。

私の指導における哲学ですが「勉強の入り口を教科書にしない」

自分の息子で実戦中。

今のところ順調に進んでいます。

成果が出たら、その時はもっと声を大きくして言おうと思います。笑。

 

 

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