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2019年2月15日 (金)

神奈川県 公立高校入試(数学)

さて入試が終わりました。
一通り解いてみましたが、難易度は例年並み。
ただ1点、例年になく「パターン化」で解けない問題が増えましたね。
これは、文部科学省が推進する「思考力」「判断力」「協働性」のうち、「思考力」をしっかり問う問題になってきた証かもしれません。
今後、この傾向が強くなるなら、集団塾より個別指導塾にアドバンテージが出てきますね。
なにせ、個別指導塾の先生は日ごろから東大や東工大、早慶の超難問数学を指導するので、必然的に思考力を養う授業をしていて、パターン化指導の限界を感じて中学生にも、もちろん小学生にも「思考力」を養成する形で授業を行っているからです。

では、今日は数学に関して。
色々なところで難化が囁かれていますが、決してそんなことはありません。
ただ、前半の問3(イ)問4(ウ)の2問のみ難化しています。
特に問3(イ)が例年の出題パターンから外れたため、ここで時間を使ってしまい、全体的に解く時間が無くなり、難しくなったと印象を残したかもしれません。

では解説を載せておきます。

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左側の1:1に引っ張られてしまいがちですが、この問題は平行線と線分比の問題。
Cを頂角とした図に置きなおすと、見やすくなるのではないでしょうか。

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では補助線を加えましょう。平行線以外を入れるとゴチャゴチャになるので、基本は平行線を追加です。その中で考えましょう。
そうすると点Fと点Eを通るABに平行な線が出てきますね。
ついでに相似の三角形も色分けしておきますね。

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この相似を利用すれば、DBがD側から6:4:5:5:10に分けられることが分ります。

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最後にEHを結んで四角形EGHFを3つの三角形に分けて、各々をSを使って求めれば完成です。
4/9S+5/9S+15/18S=33/18Sとなり
S:T=18:33となります。

では次に問4(ウ)
スペースの問題で(ア)(イ)は解きませんが、その数値とその過程で出てくる数値をそのまま使いますので、(ア)(イ)は自力で解いたのちに見てください。

(イ)がいつもより1クッションだけ計算が多くなっていて困った子もいたのかな??
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「高さが斜めの図形の面積は等積変形」
この基本で解ける問題です。
等積変形後の図形がこんな感じです。

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四角形ADBFを等積変形した三角形BDSの底辺SDは14/3-(-1/3)=5となるため
三角形BDGを等積変形した三角形BDTの底辺も5となる。
したがって、-1/3-5=-16/3
T座標は(-3,-16/3)

等積変形のために作図した直線TGは直線DBに平行なので、傾きは5/9
したがって直線TGの式はY=5/9X-11/3

点Gは直線TGと直線①Y=-Xとの交点なので
5/9X-11/3=-X
14/9X=11/3
X=33/14

この2問を解けなかった生徒で、多摩高校以上の偏差値の学校に合格した子は合格後すぐにでも塾に通うことをお勧めします。
おそらく、解法を丸呑みして、ものすごい努力で進学できたのでしょう。
しかし、その方法は高校数学は一切通用しないでしょう。
「あれ、ついて行けない」と思ってからでは手遅れです。

これからの学習は「思考力」
「解いたことある」という根拠で解くのではなく
問3であれば、面積だから相似利用→相似が見つからないから補助線
問4であれば、高さが斜めになってしまうから等積変形
こういった、解くための根拠をしっかり持って解く練習が必要ですね。

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