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2019年2月27日 (水)

脱「解き方」②

先日に続き、脱「解き方」
今日は数検出版の4プロセスに掲載の問題から。

直線Y=X+Kが円(X+3)²+Y²=9で切り取られる線分の長さが2√7になる時のKの値を求めよ。

解き方を3パターン掲載します。
①この章で求められている解き方
②円の作図さえできれば、あとは中学生の知識で解ける解き方
③解き方が思いつかなかったから計算でゴリ押しした解き方。

では、まずは作図から。

Hp8


この作図の際、点(-3,0)を通り、傾きが-1の直線を作図できないと解き方①と解き方②は使えません。
この作図能力は大事ですね。

円に中心と2点が存在するので「二等辺三角形がある」→底辺の垂直二等分線を引く

この発想が無い場合、圧倒的に勉強不足です。日ごろから作図をする訓練をしましょう。
ということで、解き方①と解き方②用の作図です。

Hp11
AB=2√7なので、AH=√7
OAは半径なので3
三平方の定理よりOH=√2


ここまでは解き方①と解き方②は共通です。

ではここから分岐して解き方①です。
点と直線の距離の公式を使って
(-3,0)と直線X-Y+K=0の距離が√2であればいいので

|-3+K|/√2=√2

|-3+K|=2

K=5、1


解き方②
傾きが-1の直線OHはX軸との角度が45°になるため、長さが√2ならば
点Hは(-4,1)または(-2,-1)であることが分る。

2hp1
これを
直線X-Y+K=0に代入してK=5、1

ではOHを作図できなかった場合の解き方③に行きましょう。
この問題の急所であるOHがわからない
つまり、「解き方がわからない」状態で解くという事です。


まずは交点なので連立しちゃいましょう。
(X+3)²+(X+K)²=9
2X²+2(3+K)X+K²=0

解の公式より
X={-(3+K)±√-K²+6K+9}/2
ここでYを求めて三平方の定理ってのは現実的に相当計算が複雑になりますね。
でも頑張れば出ます。
しかし、ここでは簡単な解き方を。
まずは2点間の距離を、X座標の距離に置きなおしましょう。
Hp12
X座標の距離が√14ということになりました。
交点のX座標をそれぞれα、βと置いて(α>β)
α-β=√14
(α+β)²-4αβ=14

ここで解と係数の関係より
α+β=3+K
αβ=K²/2
これを代入して

9+6K+K²-2K²=14
-K²+6K-5=0
(K-5)(K-1)=0
K=5、1

できましたね。

これで多少はお分かりいただけたと思いますが、「解き方」は1つではない。
だから、様々なアプローチの方法を常日頃から模索しておくべきでしょう。

日ごろの数学の問題を解くときに、その問題にフォーカスしすぎることなく、その問題を使って数学の思考の勉強をしていくイメージですね。

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